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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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千年メダル-28

少しハスキーにも聞こえる男の人の力強いボーカルが冒頭から入ってくる。


ラララ〜と、ハミングしながら聴こえてきた声は、どこかで聞いたことのある声だった。


「あー、懐かしいなこれ」


突然ボソッと呟いた久留米さんは、嬉しそうに口角を上げて言った。


「知ってるんですか、この歌」


「そりゃ当然……って、知らないの? THE HIGH-LOWS」


「うーん、ちょっとわかんないです」


「マジかよ、早速ジェネレーションギャップだな」


若干ショックを受けたような顔になった久留米さんに思わず笑ってしまう。


「あ、あたし、元々音楽ってあまり聞かないし……」


「いや、いいんだけどね。

俺もこのバンド世代ってわけじゃないし。

ただ、兄貴が高校生の時にバンドやってて、これのコピーしてたから俺もわかるだけなんだ」


「久留米さんってお兄さんいるんですか?」


「うん、兄と妹がいて、3人兄弟の真ん中。次男坊」


「次男坊……」


その言葉を聞いて、あたしはふと母親のほくそ笑む顔が浮かんで思わず苦笑いになった。




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