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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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千年メダル-17

久留米さんから受け取ったそれをまんじりと眺めてみる。


目に飛び込んで来たのは、屈託なく笑う、今より少しあどけなさの残る久留米さん。


かっこいいんだけど、チャラくて調子のよさそうな顔した茂さん。


……そして瑞々しい花のように輝いた笑顔をこちらに向ける芽衣子さん。


あたしの手には、久留米さんの車の中で見た、彼の大事な写真があった。


フォトフレームは昨日メイが壊してしまったから、おそらく裸のままになっていたんだろう。


ジーンズのポケットに入れていたせいか、あちこちがシワになっていて、何となく写真の中の三人が苦笑いになっているような気がした。


でも、何で大事な写真を無造作にジーンズのポケットに押し込んでいたんだろう。


それに、わざわざ芽衣子さんが写った写真をなんであたしに見せるの?


一目惚れして、親友の彼女だったけどずっと諦められないほど大好きだった芽衣子さん。


さっきの言葉は涙が出るほど嬉しかったけど、これを見せられたら、芽衣子さんには勝てないとまた痛感させられて、奥歯に力が入る。


そんなあたしの心の内など知らない久留米さんは、煙草を吸い終えて携帯灰皿に吸い殻を捨ててから、突然あたしの横にドカッと座って胡座をかき始めた。


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