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LADY GUN
【推理 推理小説】

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売春区域-5

 まずは受付をしていた吉田誠という25歳の男の取調べに参加した。
 「だから俺は100万やるから店の受付やってくれって頼まれただけなんだよ!仕事もなくて金に困っていたから引き受けただけなんだよ。あの男が誰だかなんて分からないよ!」
吉田はそう釈明していた。
 「逃げようと思えば逃げられただろ!」
 「何で逃げる必要あるんだよ!?受付やってれば月100万入ってくるんだぜ!?こんな楽して大金貰える仕事なんてねーし!それに、あの男、街で偶然会った割には妙に俺の事知ってたし、逃げたらただじゃ済まないような雰囲気出してたし。」
そこで若菜が入り込む。
 「その男はこの人?」
若菜が田口の写真を見せた。
 「髪はロン毛になってたけど間違いないね。」
 「そう。」
 「でもその写真の顔、どこかで見たような…。」
田口の写真をじっと見つめた。
 「約1年前、婦警を次々に拉致監禁して暴行を加え、2人の人間を殺害した田口徹よ。」
吉田は口を開けて驚いた。
 「えっ!?マジ!?あの人が…?でも、らしい雰囲気はあったよ…。」
 「間違っていたら今頃生きていなかったかもね。」
背筋が凍りつく吉田。
 「でもここ2ヵ月は姿見てないっすね。」
 「そう。それとあなた、最上階のスィートルームにいた女性の存在には?」
 「え?女がいたんですか!?知りませんでした。あの部屋はあの人とリョーと呼ばれてた人しか出入り出来ませんでしたから。」
 「リョー?」
新たな名前が出てきた。共犯者がいるという事が判明した。
 「リョーと呼ばれていたのは男?」
 「いえ、女でしたよ。いつも帽子を目深にかぶってマスクしてましたが美人ですよ、きっと。何となく分かります。」
 「昨日まで頻繁に出入りしてましたが、今日は見ませんでしたね。珍しい事に。」
 「そう。そのリョーって女性が良く出入りしてたのね?田口とは面識あるの?」
 「ありますね。田口がいる時は一緒に出掛けたりしてましたから。」
 「そうなんだ。」
田口の事だ。警察の動きを察してリョーと呼ばれる女にもうあの場所には行くなと通達したのであろう。偶然今日だけ姿を現さないのは不自然だ。
 「で、あなたは違法薬物の存在は知ってたの?」
 「…、はい。で、でも使ったり売ったりはしてないっすよ!?見て見ぬ振りをしてたし、100万という高い報酬は口止めの意味も含まれてるんじゃないかと思ったんで。」
 「ま、体内を調べればわかる事ね。」
若菜は取調室を出た。
 「どこ行ってもやる事は同じね、田口徹。ここにいた事を突き止めるのも想定内の事だったって訳か。なら加藤綾美さんはもう用済みになったって事ね…。」
全て田口の計算の上だった事に気づくと無性に腹が立った。
 吉田の体内からは薬物反応は出なかった。


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