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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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二人の罪-2

だが、そんな優柔不断な俺に、友は黙っていなかった。

「だからそれは解ってるって!、このままじゃイケないって事は・・」
「だったら!」
「・・彼女に会いたい、彼女『樹里奈』に・・、でも俺にそんな資格何て」

何時もの通学路で、俺は地面に目線を落とす。


・・ダガ、そんな俺を試すような出来事が起きる。



「えっ?・・・・」

俺は、目を擦り目の前に移る光景を、再確認した。
しかしその光景は何度確認しても変わらず、彼女は黒板の前に居た。

「えー、多少戸惑う所は有るが、根本的には大丈夫だ」
彼女の横で、彼女の健康状態を説明する先生。クラスの人達もお互いに顔を見合ったりして、戸惑う。・・と言っても一番戸惑ってる、いや驚いてるのは他でも無い俺自身だが

「本当に大丈夫?、体とかまだ痛むんじゃない?」
「ねぇねぇ、やっぱ病院って薬の匂いとかキツイんじゃない?」

ホームルームが終わり、クラスの(特に女子)を中心に、復帰した彼女の席に集まり
心配や質問の言葉を繰り返す。

「うん、まぁ長い入院生活だったから、ここ(学校)が新鮮に見えるケド」
樹里奈のジョークに、笑い出し、長い入院生活から復帰した彼女を受け入れるクラスメート・・。俺はその光景を見届け、教室を後に去っていく・・、そんな俺の背中を、ふいに
見つめる彼女。

「・・・しゅう」


彼女との関係は今だ複雑ではある物の、俺は樹里奈が無事に、クラスの人達に受け入れて貰えて、ホッと胸を撫で下ろす。
・・ダガ、クラス皆が皆、彼女を受け入れた訳でも無く・・。

「よいっしょ!」

復帰して早々、先生は止めた物の、本人の希望もあって、授業の手伝いをする。

理科の授業に必要な器材の入ったダンボールを廊下を渡り運んでいる・・、すると

「きゃっ!」

器用に廊下を、すれ違うクラスメート達との衝突を避け、運んでいたのだが、誰かと
衝突してしまい、体制を崩し、床に体を打ち、運んでた器材がその場にぶちまかれ。
それにうっかり衝突した、というより何者かに、ワザとぶつけられた様な感じで

「何だお前、復帰して早々善人ズラか?」

ぶつかった樹里奈に謝りもせず、ナイフの様に尖った言葉をぶつける男の声
背中をさすり、見上げるとソコに、かつて樹里奈を罵った関口と連れの男子がいて
汚い物でも見つめる様な目で、彼女に視線を突き刺す。

「な・・何よ、あんた達」
樹里奈も立ち上がり、悪意を感じる二人を睨みつけると

「何だその目?、おー超恐ぇ、流石殺人犯!」
「!!」

殺人犯・・、と言う言葉に見覚えのある彼女は不意を突かれ、その隙に容赦なく入り込み
更に彼女を追い込む。

「全く、先生も女子共もどうかしてるよな、かつて自分が愛してた恋人を、行き成り刺して、そのまま自分も転落して入院する何て・・。」

樹里奈のかつての事件について、先生もクラスメートもある程度知っていた・・ダガ先生
というより、学校側はその事実を隠し、善意のあるクラスメートはあまり散策せず何時もの樹里奈として、接してくれているのだが、それでもどうしても腑に落ちない連中はいて

「はー、恐い恐いこれからはこんな恐ろしい犯罪者と一緒に授業を受けなきゃなんねーのかよ・・」
「イザって時の為に、護身術の一つでも覚えとかねーとなっ!」
本人に聞こえるような独り言を投げ、器材を床に落としたまま怯える彼女を後にする。

「・・う、・・うぅ・・・・私は・・私は・・犯罪者・・何かじゃ」
心に大きな異物埋め込まれたまま、力無く、しゃがみ込み床に散らばった器材に伸ばし

あいつらっ!
アノ二人に、激しい怒りを覚えつつも今は・・

俺は、彼女の所へ駆け寄り器材に腕を伸ばす。


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