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LADY GUN
【推理 推理小説】

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病んだ精神-3

 次の日の夜、武史の家を訪れた家族がいた。
 「アニキ〜!ワイハーのお土産持って来ましたよ〜!」
うるさいぐらいの明るさで訪問してきたのは矢沢祐樹、そう元愛弟子だ。2人で散々レイプを繰り返してきた仲だ。
 「ご無沙汰してます♪」
妻は元モデルの矢沢果歩。旧姓川越果歩だ。矢沢がレイパーから足を洗うきっかけとなった最愛の妻だ。
 「おまえら上がらせてもらえ!」
 「はーい!」
子供がたくさんなだれ込んできた。
 「勢揃いかよ!?」
 「はい♪」
矢沢は福山のビックダディと呼ばれるぐらいに有名人になっていた。子供が12人いる。
 「しかしよくもこれだけ作ったもんだわ…。」
 「いや〜、出る時にいつも果歩が抱きついて離さないもんで中に出ちゃうんですよね…。」
頭をかき照れ笑いする矢沢。
 「祐くんだって気持ち良さそうじゃん。」
 「確かに気持ちいい♪」
幸せ一杯だ。
 「いつまでもラブラブで羨ましいわぁ!」
絵里が笑う。大人しめの武史と絵里の愛娘、愛海は絵里の腕に抱きつきたくさんの矢沢の子供達の様子を窺っていた。
 「しかし全員でハワイ旅行とはリッチだよな。」
 「こういう時は大家族で良かったと思いますね。だって南電から毎月1人50万の補償金が出ますからね。うち、いきなり月収700万ですもん。」
原子力発電所を抱える南電から何歳からでも働いていてもいなくても1人50万の補償金が支給されている。家族が多ければ多いほど大金支給になる。
 「ま、それだけ被害にあって辛い環境になってしまったから貰う権利は当然だけど、人間変わっちまわないか心配だよ。」
 「大丈夫っすよ。今回は気晴らしに旅行行こうって事で行きましたが、お金は基本的に貯金してますから。来週からはまた原発の修復の仕事に戻りますんで。俺は福山県が大好きなんです。俺は以前のような美しい福山に戻れるよう必死で頑張りますから。」
 「心配だなぁ。被爆気をつけろよ?家族いっぱいいるんだから。」
 「最悪、貯金たくさんあるから何とかなるけどね!アハハ!」
果歩が笑った。
 「果歩〜!!」
悲しそうな顔をする矢沢を抱きしめる。
 「嘘だよダーリン♪いつまでも愛してるよ♪」
 「果歩リ〜ン♪」
ラブラブの2人を見て武史と絵里は目を合わせて同じ事を思った。
 (果歩…リン??)
若干鳥肌を立ててしまった。結局ラブラブぶりを見せつけて嵐のように帰って行った。
 「同じレイパーでも、紙一重でしょう?」
武史は複雑な顔をしながら頷いた。神の創造物は出発地点は同じでも正反対の道を歩み続けている。


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