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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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メイ-13

でも、あたしは久留米さんの腕を振りほどこうと、ブンブン腕を動かしつつ首を横に振る。


「メイを探さなきゃ」


そう、いくら久留米さんが目の前に現れて、あたしを抱き締めてくれても、本来の目的はメイを見つけることなのだ。


だからあたしはそう言って、車が停めてある方向とは反対方向にヨロヨロ歩き出した。


久留米さんのことだから、あたしをこのまま有無を言わさず家に送り届けてしまうに違いないから。


でも、と言うか、案の定と言うか。


「いいから乗れよ」


やっぱり久留米さんは、あたしの腕を掴み直すと引きずるように歩みを進めた。


またしてもその手を振りほどくあたしと、食い下がってくる久留米さんとの押し問答が続く。


とうとうあたしがキレ出して、舌打ちしてからジロリと彼を睨み付けた。


「だって、メイは今頃ひとりぼっちできっとどこかで不安になってんですよ!」


結構凄みをきかせて言ったつもりなのに、彼はなぜか片眉を上げてフッと笑うだけ。


そしてその後で彼は、あたしが振りほどけないほど強い力で腕を掴むと、


「乗ればわかるから」


と言ってグイグイあたしを連行していった。







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