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水面の少女 加奈
【レイプ 官能小説】

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低俗の人形 ☆-1


 夏休みを目前に控え歩美は、その日友人たちとデパートの水着売り場に居た。
背伸びして合格出来た進学校だけに学業への注力は余念無かったが、入学と同時に入部したのは水泳部であった。
それは中学時代に憧れた太田加奈の陰を追うに似た行為であった。
実力は遠く及ばなかったが、歩美には内に秘める邪悪な想いを制御する為に、打ち込める何かが必要であったのだ。

もちろん購入した水着は競泳用の物では無く、数日後に友人たちと海へ出かける為の物である。
買い物後も友人たちとドリンクバーで、おしゃべりしながら過ごす至福の時。
そこには以前は得られなかった充実感と価値観があった。

 3時間後、友人たちと別れ帰宅の途に着く歩美。
駅からバスに乗り換える停留所で、それは何の前触れも無く忍び寄る。

「見違えたぜ…… 歩美」

「!?」
背後より唐突に声を掛けられた瞬間、歩美の背筋に冷たい物が走る。
振り返る事無く呼び起こされる男の名。

「忘れたとは、言わせないぜ、歩美」
まとわり付く声に、再び恐怖が呼び起される。

(藤岡留吉?)
振り返るとそこには、瞬間的に思い起こされた男が居た。
二年前弱みを握られ、さらに罠に嵌められ、その幼い性を貪り続けた呪うべき存在。
その欲望に満ちた醜悪な容姿に変わり無かったが、しかし風体を意外な変化を見せていた。
口ぶりこそ変わらず卑下ていたが、仕立ての良いスーツに身を包み経営者をも想わせる雰囲気を感じさせる。

「まぁ、そう露骨に嫌な顔をするな。少し位なら、時間いいだろ?」
留吉はそう言うと、目の前にある珈琲ショップに入る事をうながす。
忘れ去りたい暗闇の記憶に捕えられた歩美は、目を伏せ項垂れる様にして入店するしかなかった。
テーブル席に着くと留吉はまるで、教え子にでも再会した様に懐かしげに、空白の二年間を語り始める。

それによれば“太田加奈レイプ事件”発覚後、職を解かれた留吉は噂通り複数回リンチに遭う。
恐れをなした留吉は隣県T市に移り住み、裕福な親類に寄生しながら清掃員の職に就き新たな生活基盤を築く。
しかしその状況から現在の留吉は想像しにくく、容易に全く異なる要因が歩美には想像された。
もっともこの卑劣な男の事だから、真面な方法による物では無い事も同時に伺わせた。
何れにしても再びこの男、藤岡留吉から接触を受けた以上、おいそれと済むとは思えなかった。
それは次に発せられた留吉の言葉で確信に変わる。

「歩美、その制服は○○第一高校。石崎佑香と同じ高校とは、お前意外に頭が良いんだな?」
留吉が制服から高校名を察する事に対しては、左程の驚きを感じなかったが続けて発せられた少女の名に、歩美は驚きを通り越した恐怖を禁じ得なかった。
用務員時代より娘の様な少女たちを性欲の対象として来た留吉だけに、その延長である女子高生の制服に興味を持ち知り得る事に対し格段の驚きは無かった。
元より真面な人間では無く、異常性欲者である事は歩美自身が身を持って知っている。

しかしすでに中学を卒業した石崎佑香の進路を知っている事は、尋常ならざる違和感とその裏に秘められる目的を案に伺われるのである。
30分程度ではあるが、留吉の回想にも似た話が終わる。

「ところで歩美、あっちの方はどうなんだ?」
瞬時に変わる留吉の好色の眼に、歩美の足元は微かに震えだす。

呼び起こされる二年前の記憶。
すえた臭い漂う万年床の上、強いられる続けた引き裂かれ貫かれる恐怖。


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