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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈哀肉獣・喜多川景子〉-1

春奈が誰にも届かない悲鳴をあげていたのと同時刻……あの薄暗い監禁部屋に、二人の姿があった……。

その部屋の中心には錆びたベッドが一つだけあり、その上に二人は寄り添うように“置かれて”いた。
一人はピンクのOLの制服を着た優愛で、もう一人は白いセーラー服を着た奈和だ。

手枷は外され、もう身体を拘束する物は無い。

久しぶりに手足を伸ばしての眠り……しかし優愛も奈和も悪夢に魘され(うなされ)て息を荒げて悶え、安眠とは未だ無縁なままだった……。


(……もうやめて……助けて……)


二人は同じ夢を見ていた。不潔な痩せたオヤジと禿げたデブオヤジが、汚ならしい縄や鎖を二人の身体に巻き付け、お互いの凌辱シーンを見せつけて笑う夢だ。

奈和の知らない優愛の秘密を汚し、優愛の知らない奈和の秘密を弄んでいく……目を覆いたくなる惨劇の悪夢に、二人は藻掻いて跳ね起きた。


「……な…奈和ちゃん……」

「優愛ちゃん……だ、大丈夫…?」


二人は互いに視認すると抱き合い、そして直ぐに制服の上着やスカートの中に手を入れた。
ブラジャーには外された形跡は無く、パンティーもしっかりとしていたし、何処かに悪戯された跡も無かった。


「ここ……何処なのかしら?」

「……分からない……景子お姉さんも……居ないみたい……」


今にも泣き出しそうな顔をし、不安一杯な二人は辺りを見回した。
八畳くらいの部屋はジメジメとカビ臭く、物々しい鋼鉄の扉が一枚だけ壁にめり込んでいた。
更に天井から下がる一個の裸電球が、窓すら無い暗い室内に、オレンジ色の明かりを点している。
そして、誰の物とも分からぬ長い髪が、明かりに照らされて床にキラキラと光っていた。


「なに…?こ…この髪……?」

「キャアッ!?ゆ…優愛ちゃん……天井見て……」


奈和が指差した裸電球の向こう……剥き出しの鉄骨には頑強な鉄パイプが格子状に張り巡らされ、そこには枷が結わえられた麻縄や、錆びた鎖がブラブラと垂れていた……きっと自分と同じように拉致された女性が、あの縄や鎖に繋がれて凌辱されたに違いない……そして、この床に落ちている髪は、その女性の物……。


「に…逃げるわよ……」


意外にも、手を取ったのは奈和の方だった。
幼い時の悲劇のトラウマを抱えていた優愛は、景子に守られてきた事で、あまり行動的な性格を持ち合わせてはいなかった。
手を握られ、年下の“彼女”に引かれるがまま、冷たい鉄の扉の前まで連れてこられた。



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