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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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「どこかにいい男でも落ちてないかな」
「のぞみは条件が高すぎるのよ」

お昼に社員食堂で同僚の久美に話せば鼻で笑われる。

「この会社の社員は条件としては高物件よ!」
「高物件ねぇ・・・・・」
「後は見た目と性格をチョイスすればいいんじゃん」

一流企業の社内の男を久美は高物件だと主張する。が・・・

「久美だって彼氏は社外じゃん」

いい加減な意見はやめてよね。
自分は学生時代から付き合ってる彼がいるけど
この会社より、会社としてのレベルは落ちるところに勤めている。

私の場合も会社の名前が条件に入ることはない。

久美と話をしていて迂闊にもロッカーのカギを落とした。
拾おうとしたその前に、さっと誰かの手が落ちてきて
そのカギを拾ってくれた。

「はい。どうぞ」
「あ・・・ツートップ・・・」
「は?」

拾ってくれたのが経営管理部のツートップと言われるうちの一人、山田さんだった。

思わず口から出た「ツートップ」に山田さんが顔をしかめた。

「いえ。ありがとうございます」

山田さんは私の首から下がっているネームプレートを手にとって

「新田きぼう?さん?」
「のぞみです。希望と書いてのぞみと読みます」
「綺麗な名前だね。のぞみちゃん、はい、鍵」
「・・・・ありがとうございます」

いきなりちゃん付けで呼ばれた!

「じゃぁ、急ぐからまたね」

またね?またねって何よ。








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