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恵子
【熟女/人妻 官能小説】

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癒しの眼差し-2

 
部屋の玄関にキーを差し込んでドアを開けた。

ビルの規模よりも、ずいぶんこじんまりした、部屋である。
 
どうみても、3LDKで、リビングも10畳くらいである。

「お邪魔しま〜す。」

恵子は靴を脱いで、自分と壮一の靴も揃えた。
 
「狭い部屋でびっくりしたでしょう? ひとりなので、これだけあれば十分なんですよ。」

「いぃえ、とっても素敵なお部屋ですぅ!」

 
 
物があまりないシンプルなリビングである。

応接用のダイニング・テーブルとソファーに、小さなオーディオセット、そのくらいである。

テレビも無い。

 
 
「テレビは寝室、趣味もほとんどないので、こんな感じです。 皆さんびっくりされます・・・。」

壮一は、恵子にソファーを勧めて、自分は、手を洗って、珈琲を入れる準備を始めた。
 
「珈琲でよろしいですか?」
 
「はい、どうぞお構いなく・・・。」
 
 
 
恵子は部屋を見渡して、あまりにも質素な暮らしぶりに驚いた。
 
ひょっとして、ただのケチなのでは無いか・・・と思ったほどである。

だが、フローリングの滑らかさ、ソファのレザー感は、非常に心地よかった。

 
 
「座り心地の良いソファーですね。」

「皆さんにそこのところは、褒めて頂いてます。」
 
壮一は、珈琲を恵子に出しながら答えた。
 
 
 
壮一も向かいのソファーに腰掛けて、恵子に珈琲を勧めて、自分も啜った。
 
「オーナーは、ずっとお一人?」
 
「そうなんですよ。あ、私、ゲイじゃないですからね。一人が気楽です、いろいろな女性ともお付き合いできますし・・・。」

「まぁ、羨ましいこと!」

恵子も笑いながら、珈琲を啜った。
 
「ただね、五年前に前立腺の手術をしまして、それ以来、あっちの方が全く『出来なく』なってしまいまして・・・・、すみません、変な話をしてしまいまして・・・。」
 
「ごめんなさい、嫌なことをお伺いしてしまいましたね。」

「いいえ、お気になさらないでください。そういう訳で、先ほど申し上げた様に『変なこと』は出来なくなってしまったんですよ、残念!」

と、壮一は笑いながら答えた。

 
 
壮一は、五十三歳にしては若々しい。
 
痩せてはいないが、髪の毛はふさふさしていて、顔はどちらかというと強面の部類に入る。
 
だが、若い男には無い、成熟した男の匂いの様なものを感じさせた。
 
 
 
「オーナーはさぞかしオモテになられるのでしょうね〜。」

恵子は興味津々で聞いた。
 
「いやいや、そんなことはないんですよ。 もう最近はお茶飲み友達ばかりです、あははは・・・・。」
 
暗い感じの全くない、それで嫌みなところも全然感じさせない壮一である。
 
「奥さんこそ、そんなに美人さんでしたら、いろんな男性から声をかけられるでしょう? あ、私もその一人ですね!」

「オーナーからのお誘いは、とても嬉しかったんですよ。でも主人は最近あまり相手にしてくれないので、少し寂しいです・・・。」

 
 
 
恵子は、思わず本音で喋ってしまった。

少し気まずい沈黙が流れた・・・。
 
 


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