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蜘蛛娘 金銭鏢の娘
【歴史物 官能小説】

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蜘蛛娘 金銭鏢の娘 前編-1

商家の娘、あき、は、
蜘蛛娘を妹か、恋人のように慕っている。

蜘蛛娘が夜毎にあきの寝所に現れ、二人で抱き寝などしているのだ。
蜘蛛娘はあきの甘美な精を、ちびちびと楽しんでいた。

武芸者の陰惨な事件の事も有り、気を遣って知人のいないところで仲良くしている。
手など繋いで歩く姿は、明るい姉と、機嫌の悪い妹くらいにしか見えない。

あきは年頃でもあり、美しく変わっていくが、
蜘蛛娘をすっかり気に入って、男など一顧だにしない。
今日も二人で甘味など食べに出ていた。

店舗が見えるところまで帰って来ると、若い娘が出ていくところであった。

(ふん…。隙の無い娘だ。まるで若武者のようだ)

「あの娘のことを家人に聞いておくれ」
蜘蛛娘は、あきにそう言い残して走り去ってしまった。

蜘蛛娘は娘の風上に廻り、細い糸を棚引かせ、手下の小さな蜘蛛を糸に乗せる。
上手く娘に取り憑いた、小蜘蛛の出すしおり糸を頼りに、
姿を見せぬ様に用心して娘の後を尾ける。

(此処が隠れ家か)

娘は遺棄された小屋に入った。
ここいら一帯は鷹場となっており、鳥見役にでも見咎められれば、只では済まない。
蜘蛛娘は迂闊をすることもなく、居所を見届けて引き上げる。

あきに睦言で訊いてみる。
あきは蜘蛛娘の平らな胸に吸い付いて、甘えている。
「私達の在宅を尋ねたそうです。お侍の様な物腰だったそうですよ」
「ふうん」
「そんな娘の事など置いて、私を可愛がってくださいまし!」
あきは頬を膨らませ、真に可愛いらしい。

(あきに迷惑は掛けたくない)



数日後、蜘蛛娘は件の廃屋に現れ、不躾に引き戸を開け声を掛ける。
「私に何か用か」
昼のひなかに不意を突かれた娘は、飯など食っていた。

「お前に母親を吸い殺されたのだ!」
「仇討か。一人とは自信があるな」

「きさま、いったい何人の生命を吸い取った!?」
「おまえは、今まで食った魚の本数をおぼえているのか?」

娘は怒りに歯を剥いて蜘蛛娘に迫る。
蜘蛛娘は娘との間に糸を張るが、娘は銭貨を投げて、張ったそばから糸を断ち切る。

銭の縁は研いであり、壁板に柱に突き刺さる。
雨のように投げられては、
いかな蜘蛛娘でも、狭い屋内のことでもあり、躱し切れるものでは無い。

「ちいっ!」
蜘蛛娘は頭を抱え、身を低くして戸外に飛び出す。
「待ていっ!」
娘も、一差しを掴んで表に飛び出すが、喉の高さに張ってあった糸に真面に突っ込む。
糸には周到にも葉、土が擦り込んであり、暗い屋内から急に飛び出して、見える筈が無い。

「かっ…かは…」
娘は薙ぎ倒され、暫くは呼吸は疎か、手指まで動かせぬ。
蜘蛛娘に易易と廃屋に担ぎ込まれてしまった。

蜘蛛娘は、板壁に刺さった銭貨を引き抜く。
「金銭鏢か。腕前は良いが、落ち着きが足りんな」
「畜…生…」

蜘蛛娘は、おもむろに着物を脱ぎ始める。
「なっ!?…何だ!…」
「あきと毎夜のように合歓していると、堪らなくなるのだ」
蜘蛛娘は長く生きてはいるが、子供の見た目で、裸体もつるりとしている。

「雄蜘蛛の精を身体に入れてみたが、上手く卵が出来た。これをお前の腹に托してみたい」
蜘蛛娘は潤んだ瞳をして、娘に言い寄る。

「ひっ!近寄るな!自分で孕め!」
「人が出るか蜘蛛が出るか。何が生じるか識れたものでは無いからな。
まさかに、あきに産み付ける訳にはいかん。お前は身体が丈夫そうで何よりだ」
「ひいいっ!勝手を言うな!」

蜘蛛娘は、動きの鈍い娘を裸に剥いて、めろめろと舐め廻す。
蜘蛛の唾液には殺菌の力が有り、悪い匂い一つしない。
犬のような姿態をさせ、尻の皺まで拡げてねぶり尽くす。

「どれ」
蜘蛛娘は娘の脚を開き、糸で柱に固定し、
秘所に吸い付いて、長い舌で身体の中をまさぐる。
「あふっ。ううん」
女を喜ばせる手練手管を知り尽くした蜘蛛娘にとって、
小娘を良い気分にすることなど、造作もない。

「ふうっ」
蜘蛛娘は娘の目の前で、自分の下腹から垂れた糸をゆっくりと引き出す。
「ひいっ!」
糸で包まれた、温かい卵嚢をぬるりと取り出し、
充分に柔らかくなった娘の淫部を拡げて、
長い舌で娘の身体の奥、深くまで丁寧に押し込む。

「やめて!やめてっ!わあああん!」


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