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どこにでもある ただ ちいさなおはなし
【ファンタジー 恋愛小説】

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どこにでもある ただ ちいさなおはなし1-11

「あーぁ、もしかしてオレだけ年寄りなんじゃねーの」

パイプを咥えて愚痴る中年の男。手作りのロッキングチェアをキイキイ鳴らしながら夜空を見いる。

今日もいくつもの光が天に昇っていく。

「あーあ、また、あんなに」

ため息をつき皮のコートのフードを深く被り直す。

「あれは本当に魂なのかね」

パイプを吸い込み煙を吐く。
椅子の傍らにはパンパンに膨らんだ鞄。
しばらく黙って空を見上げていたがやがてパイプから煙が出なくなると、パイプの中身を捨てて立ち上がる。
もう床についている家族にはこんな姿見せられない。
男はちらりと真っ暗な家を振り返りゆっくりと歩き出したり



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