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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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届かない想い-18

さっきのあたしに触れてきた時の久留米さんと、あたしに拒絶の言葉を吐いた久留米さんはまるで別人のようだった。


初めて見せた、あたしを見つめていたあの真剣な眼差しは、彼にとってなんでもないことだったのだろうか。


一人気持ちを置き去りにされたまま、唇を噛み締めるあたしに彼は、


「宗川さん、自分のこと勘違いしてんだよ。

元彼……塁くんだっけ?

ソイツを忘れようとするために、無理矢理俺を好きだって思い込んでるだけだって」


と、子供を諭すように言った。


また一線を置こうとする彼に苛立ち、あたしはムキになって反論しようとする。


「違います! あたしは本気で久留米さんのこと……」


でも、あたしが言い終える前に久留米さんが言葉をさらにたたみかけてくる。


あたしの想いなんて聞きたくないかのように。


「だったらなおさら、今のは聞かなかったことにして欲しい」


あたしの気持ちは迷惑だったんだ、そう言われているような気がして、散々泣いた後なのに、また涙がジワリと滲み出てきた。


「まだ芽衣子さんを忘れられないからですか……」


やっぱり頭によぎるのは、写真の中の可愛い女の子。


手に持ったフォトフレームを叩きつけたい衝動に駆られた。






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