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紅館小話
【ファンタジー 官能小説】

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紅館小話〜細〜-5


『はいな♪ 特大ハンブァァァグと焼きソーセージ♪』
長い夜の後で、例によって睡眠不足な私に、フィルさんが出した朝食だった。
『………普通にハンバーグって言ってください………』
眠気のせいで、まるで怒っているかの如く細くてキツイ目がフィルを捉える。
(しかも朝から肉ばっかり………)
『はいな♪ 今夜もアツアツなんやろ〜♪』
あぁ、こういう眠い朝は………元気な人がウザイ………
『だいたいヤナコッタ弁って………ただのエセ関西弁じゃん………』
『スーはん、この世界に関西なんて単語存在せんのよ?
あんまりたわけとると作者の陰謀で貧乳になるで!』
料理長フィル=ハン=バーグ26歳、独身、貧乳が悩み。
『スーはん………あんたぁ、うちの夕食になりたいのけぇ………?』
料理長フィル=ハン=バーグ26歳、独身、全身調理器具。
『胸にまな板、手刀は包丁………』
『ゆぅたなぁ! 待ち! 三枚に下ろしたる!』
迫るフィル。
私は手早くソーセージを一本くわえて逃げ出す。 良い塩加減で、しゃぶってるだけでも美味しい。
『………………』
逃げながらふと離れた席を見ると、ゼロがこちらをじっと見ている。
『………?』
じっと見て………次第に笑みが浮かんで………
ピーーーン!
『おぉ! ゼロはんの尻尾が立った!』←機嫌が直った。
まさに、ゼロ、閃いたの図。
ゼロは自分のソーセージを掴み、ツンツンと先っちょをつつく。
ニャヘ〜〜〜〜♪
わ、笑ってる………あの子ソーセージつつきながら笑ってる………
『もしや〜〜〜♪ これはもしやあの責めなんか? あの責めなんかいな〜〜〜♪』
本当に楽しそうねフィルさん。 是非とも役を代わって欲しい。
嫌な予感がまた私の脳裏をよぎる。
(というか、巨根問題は片付いたんじゃないの!?)
『ゼロゼロだけのやり方だよ♪ ス〜〜ちゃん♪』
ソーセージ片手に微笑むゼロ、あぁ、今夜もまた寝れないみたい。


でも、それも悪くはないかな………



紅館小話〜細〜 完


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