告白は偶然に-3
「その男、半田が帰る前に夕飯作ってんの？」
「うん」
「まぁ・・・半田は残業多いけど、それでも男がそんなに早く帰れんの？
仕事何してんだよ？」
「・・・・・」
「なに？聞こえない」
「無職・・・・」
「はぁ？」
山田は居酒屋だって言うのに酔ってもいない癖に
大きな声で箸を止めた。
「無職？」
でかい声で無職と叫ばないでほしい。
「そう」
「なに？半田が生活費出してんの？」
「ううん。今は違うけど。それでも良いかなって今日思ったりした」
「・・・・」
「・・・・」
「その男ヒモ？」
山田は遠慮というものがないのか
それからも私と大川さんの関係を何とか聞き出そうとしたけど
私は隠すとかじゃなくて
本当にこれ以上の関係ではないし
大川さんのことは何も知らない。
「そいつのこと好きなの？」
「好きとか・・・そーゆー感情ってよくわからない」
山田は、憐みの目で私を見た。
山田だって人を本気で好きになる事なんて絶対今の彼女が初めてのくせに！
なんで私だけそんな目で見るのよ！
「半田ね？女の幸せが結婚だとは言わないけど。
好きとかよくわからないって干物期間長いからだよ」
大きなお世話だ！
「ちょっと聞くけど・・・・身体の関係は？」
全く聞きにくそうではないそぶりでさらりと聞く。
「・・・あるけど」
山田は、やっぱりと小さくつぶやいて
「お前、遊ばれてるよ」
と小さくつぶやいた。
私は聞こえないふりをしながら、ジョッキのビールを飲み干した。