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LADY GUN
【推理 推理小説】

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密約-2

 「悪いな、急に呼び出して。」
 「いえ。」
対面するようにソファに座る。
 「喜多和典を城南刑務所から東京刑務所へ移動すると連絡があったんだ。」
 「それで角田さんが?」
もう知っているのか?と言わんばかりの分かりやすい表情を浮かべる島田。
 「ああ。本部からのご指名でな。わざわざ角田くんを指名する意味も分からないが、喜多の突然の移動も意味が分からない。細かな説明はないしな。恐らくこれだけ婦警失踪で世間を騒がせ、そして殺人事件にまで発展してしまった以上、警察の威厳にかけて東京で徹底的に調べ上げようと言う事なのかも知れないな。」
R4コーポレーションの重要人物である喜多は、まだ明かしていない重要な証言がたくさんあると睨んでいる。
 「こちらでは調べが甘い…と?」
 「しびれを切らしたのかも知れないな。犯人特定まで時間がかかってしまったし、その間にどんどん田口は警察をコケにしている。警視庁本部のプライドをこれ以上傷付けられるのは耐え難いんだろ。」
 「プライドですか…。下らない…。」
溜め息をつきながら言った静香。
 「まぁそう言うな。あちらは恐らく加藤綾美の件でも何か情報を持っているんだろう。その中で喜多和典が何か事件に関係しているのかも知れない。捜査の前進の為だ。仕方ない。」
 「加藤綾美の情報はまるで伝えてきませんね。加藤綾美には一体何が隠されているんでしょうか。角田さんが護送を任された理由も含めて本部は何か秘密にしている事がありそうですが。」
警視庁本部での捜査について何も情報が伝わって来ない事が不満な静香。
 「喜多が移動させられたって事はR4コーポレーションに何か重要なものがありそうだな。では徹底的にR4コーポレーションを調べなおしてくれるか?」
 「分かりました。」
静香は礼をして署長室を出て行った。


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