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『幸せの道』
【片思い 恋愛小説】

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『幸せの道』-2

私はいつものように授業後残った。
「お前最近どうしたの?」となにも知らない春日が私を心配して聞いてきた。
私は涙をこらえ「もうすぐ受験だから緊張してるんだって!」と笑いながらごまかした。
「そっか。ならいいけど。受験頑張れよ!志望校に受かるように俺も協力するからさ!」と席を外し春日は職員室へ行ってしまった。
私は春日いなくなった途端涙が止まらなくなった。春日にばれないように泣いた。
受験なんて受からなくていい。私は受験より春日がほしい。なんで私じゃないんだろ…いつも話してるのに,なんでこんな遠くに感じるんだろ…私は無能な人間だ…あなたの前で笑うことしかできない。悲しくて辛くて泣きながら家路に着いた。

それでも時は止まらない。
私はみごと美紀と同じ志望校に合格した。美紀と2人で嬉しくて泣いた。私の涙には春日への思いも混じっていた。

最後の時がきた…私はどんな思いで春日に会えばいいの?私にはなにもできないの?……わからない。とにかく私は走って走って春日と出会った場所へ向かった。

ちょうど春日は一人で外に立っていた。泣きそうな私を見て驚きながらも「ちょうど来ると思ってたよ。」と大好きな笑顔で私を見た。

「…き」
「……先生が大好きでした!」
春日は知っていたのか頭を撫でて泣いている私に微笑んでいた。
「蜜華,ありがと。俺はもうすぐ結婚する,だけどお前達を忘れないから。」

春日は私を抱きしめてくれた。
これは生徒としてしてくれた行為で,私のことは思い出になる。いつかあなたは私の思い出となるだろう…
でも,こんなに私はあなたを愛していたんだ。
涙が止まらなかった。私は最後に言わなければいけない。
「今までありがとうございました。私はいつか大人になって先生のような優しい人になります。大好きでした。幸せになって下さい。」

深く頭を下げて私は走った。
あなたと歩いた道を。
*完*


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