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NightPark
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NightPark-1

『綺麗な夜空だな…』一成は一人夜の公園で壁にもたれて煙草をく揺らしていた。
雲一つない見事な星空に一成は誘われる様にこの公園にきたのだ。煙草に火をつけ白い煙を空に吐く、一瞬空が雲に覆われた様な錯覚に陥るが数秒後には元の美しい空に戻っている。
『そろそろ帰るか…』そう思い腰を上げようとした時、「もう帰るの??こんなに綺麗な夜なのに」壁の裏から透き通るような声が聞こえてきた。『誰だ?こんな時間に』そう思い一成は壁を覗き込もうとしたが「見ちゃダメ!いいからこのまま少し話しましょう☆」声の主は明るくそういうと一成に向かって質問を投げかけた。
「あなた名前は?」「…森川一成」「今なにしてるの?」「…高校3年」「好きな食べ物は?」「パスタかな?」………声の主の質問は長々と続き一成もそれに黙々と答えていった。一成は普段自分の事はあまり喋らないのだが何故かこの人にはなんでも話す気になれた。「へぇ〜将来美術の先生になりたいんだ!」「いや、まだ決めた訳じゃないけど…絵描くのは好きだから、」「いいじゃない☆好きなことをするって素敵な事だと思うわ」凛とした強い口調で話す彼女の空気がとても心地がいい。「あんたの名前は?」一成が彼女に質問を返すと「…名前なんていいじゃない☆気にしないで☆」無理に明るく振る舞う彼女の言葉に一成はいいようのない心の痛みを覚えた。
今まで味わった事のない痛み……
「それよりあなた煙草吸ってたでしょ?ダメよ未成年なのに!それにあなたの身体に悪いでしょ?」心配そうな声が一成の胸を締めつける。「あんたには関係ないだろ…」心にもない言葉が口から溢れた「…あるわよ…だってあなたが心配だもの…お願い、もう吸わないって約束して。」一成は彼女の言葉がとても嬉しかった。自分を心配してくれる人がいるなんて思ってもいなかった。
「わかった。止めるよ!」「ありがとう…じゃあそろそろお別れね…また逢えたらその時は………」急に来た別れの時、「ちょ、ちょっとまてっ…」慌てて後ろの壁を覗き込むとそこには誰もいなかった。
「なんで…」そう呟くとその場に座り込んだ…。
顔も名前も知らない彼女と出逢った素敵な星空の夜。
俺は恋をしていたと思う。
「…帰るか…」そう呟くと近くにあったゴミ箱に煙草の箱を投げ入れると立ち上がりもう一度空を眺めた。
空にはさっきと変わらず美しい星が輝いていた………。

END


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