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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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不安-3

 今までチューインガムなどほとんど買わなかったのに、スーパーの袋に入っているのを何度か見かけた。ハンドバッグの中にブレスケア某と印字してある容器を見たことがある。役員会に行くからといって何もそこまでしなくても、と思う。家には△△エチケットなどと書かれた口臭対策用の歯磨きチューブや息をリフレッシュする等のうたい文句がある、口ですすぐ液体タイプも何点か置いてある。それとなく娘に確認したところ「どれがいいかお母さんと相談したの」と言っていた。娘もそんなお年頃になったというわけだ。何やかやで成長するに従い色気づく娘が少々眩しく感じられた。
 たんすの中で発見した下着のことを聞くチャンスをうかがっていたのだが、例のごとく優柔不断な性格が災いして聞けずにいる。たんすを漁ったと思われないようにしないといけない。そもそもそこが問題なのだ。
 下着は全て服の下になるわけで、密やかなおしゃれということなのかも知れない。Tバックはスカートやパンツの上から下着のあとを見せないため、ということを耳にしたことがある。スリット入りのパンティを発見したときはドキッとしたが、これはどのように使用するの? などと、聞いて気まずい思いをするよりは聞かない方がよい。女性特有の何か別の用途があるかも知れないからだ。
「急に町内会の役員の一人が引っ越すことになっちゃって。引き継ぎがあるらしくて、たった今その件で呼び出されたの。そちらに行くので帰りは少し遅くなると思います。すみません」――と、部長が帰るのを見届けたあと、妻からケータイにかかってきた。「引っ越しされる方は田中さんとおっしゃるのだけど」――と言っていたが、もちろん誰だか分からない。そんなタイミングだったので、飲み屋で石橋が妻との出会いを語ったあと、酔いつぶれながら田倉部長の名を出したことが頭に浮かんだ。その前に石橋が会社のことを愚痴っていたので、頭の中にある単語を並べだけなのだろうと思っているが。
 慌てて帰った田倉部長が心配だったこともあり迷った末、電話をしてしまった。部長はなにやら物を運んでいる最中だった。部長以外にも手伝う人が何人かいるような気配だった。忙しそうだったので早々に切ろうと思ったら、部長の方から話しかけてきたのでついつい長電話になってしまった。御尊父の関係の方々が手伝いに来ていたのかも知れない。だから丁寧な物言いになったのだろう。普段はあり得ない口調だったので、くすぐったいような気分だった。
 会社では範を垂れ部下を教育し、的確な指示を与え助言し、ときにはいさめ、威風堂々としたあの田倉部長がご母堂さまに呼びつけられたと聞いて不謹慎にも笑ってしまった。息を切らして汗をかきながら不要になった電気製品をセッセと運ぶ姿を想像して、電話を切ったあとも可笑しくてしかたがなかった。次の日、会社でそのことを話題にすると「もう勘弁してくれないか」ときまりの悪そうな顔で手を振っていた。
 それはさておき、夜の夫婦生活で急に積極的になった妻にはドギマギさせられる。セックスが好きになってくる年齢というのを、いつだか読んだ雑誌に書いてあったことを思い出す。こちらは逆にどんどん衰えていく。すぐに終わってしまうので何となく物足りなさそうな気配を感じる。もちろん妻はそんなことは口には出さない。この件に関して話し合ったことなどないが、いつも申し訳ないと思っている。


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