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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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不安-2

 中央が凹型になった見るだけで恥ずかしい、けばけばしい色のいすにパンティ姿のまま座らされ脚を大きく開くよう指示された。パンティからはみ出している陰毛を彼がカミソリで整え始めたのである。時々顔をあげるが、その顔を見ることができなかった。顔を火照らせずっと横を向いていた。
 次にパンティを脱がしてシャワーのお湯で暖めたタイルの上に寝かされ、両足を抱えるよう指示された。ベッドの上では必ずこの体勢で性器を愛撫する。そうするのかと思ったけれど、何と彼はお尻の穴の回りの毛を剃り始めた。動いたり声を出したりすると危険だと言われた。ずっと羞恥に震えていた。そのあと狭い浴槽の中で彼を受け入れ、逞しい腕の中ですすり泣きながらキスをねだった。今も浴室に入るたび思い出しては息苦しさを覚える。
 一回の情事で彼は何度も射精する。男性は一度したらもうできないと思っていたが、大きな間違いだった。しかも射精するまであんなに長い間挿入しているのも信じられなかった。何もかもが別世界であった。
 魅力的な女だと思ったことなどないけれど彼はそうだと言う。一目惚れだというのも聞いた。もっともこちらもそれに近い。彼曰く、膣の構造がいいらしい。自分ではその感覚はわかりようもないが、相当数の女性の体を知っているであろう彼が言うのでそうなのかなと思うくらいだ。
 男の人は射精するときが絶頂だけれど、それまでの行為ではどうなのだろう? 膣に入れるとペニスがどのように気持ちがよいのかは分からないが、膣にペニスが入っていると気持ちがよいので同じなのかなと思ったりもする。手でするときに柔らかく握るのがとてもいいらしく、そのまま射精するときもある。強くこすらないと出ないときもある。やはりよくわからない。
 今でも彼の大きなペニスを受け入れることに多少の恐怖感がある。動き始めると若干の痛みと快感がない交ぜになり、やがて腰から下がどろどろに蕩けた気分になり、たくましいペニスを貪るふしだらな女となる。彼の隷属に成り下がるのだ。
 ヘアスタイルも化粧もすべて彼のためだった。体重も減り少しスリムになってきたのも彼との、いわゆる汗まみれの運動によるところが大きい。ウエストがくびれてきたのも、タフなペニスをくわえ込みフラダンスのように腰をひねり回しているからだ。
 電話で彼が嘘をついていたのは合点がいった。分からない単語が出てきたので仕事の話かなと思ったが、夫からといった発想は思い浮かばなかった。話し方から目上の人からの電話だと思っていたからだ。夫との会話の中でそれを知りショックを感じた。彼は悟られないよう会話に策を講じたのだ。夫と話を続けながらその妻とセックスすることを選んだのだ。あのときの彼の異様ともいえる昂ぶりはそういうことだったのだ。電話を切ったあとの激しい性交も、ホテルから出たあと夜の公園で再び抱いたのも夫からの電話のせいだったのだ。夫は彼を心配して電話をかけてきたのに彼は仇で返した。
 心の中心には常に夫の存在がある。こんな状態になりつつも、これは事実である。彼と舌を絡み合わせ唾液を滴らせるような接吻を交わしても、睾丸をもみながらペニスにしゃぶりつき、ごしごししごきながら尿道に残っている精液を吸い出しているときも、避妊具をつけていない彼のペニスで内臓を荒々しくかき乱されているときでも、夫の笑顔が胸の中で燦然と輝いている。
 情事の後はいつも気が滅入っている。夫を裏切り続けている大罪の罰だ。鼻の奥が痛くなり涙が溢れた。もう少しで声をあげて泣きそうになった。恩を仇で返しているのは他の誰でもない。


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