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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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酔ったフリして-10

朝、目が覚めると私は純君の腕の中で眠っていた事に気づいた。初めての経験に思わず純君の胸に頭を預け純君にしがみついてしまった。彼が本当の彼氏なら....私は幸せだと感じていられるのに......不意に淋しさが私を襲った。純君はまだ高校生で年齢が離れ過ぎている....これが10年後だったら気にする事もなかったのかもしれないがやはり気にしてしまう....純君の事が好きなのか?と聞かれれば、YESと直ぐに答えられない....しかし、純君は心を許せる数少ない男性なので、もし私がせめて5年遅く生まれていたら....なんて考えたが直ぐに否定した....もし私が5年遅く生まれていたらきっと純君に出逢えてなかった....そう思うから....たぶん....純君だって私をそんな目で見ていないだろう....昨日だって....あんなチャンスがあれば男だったら誰だって....そんな事はわかっていた....わかっていても嬉しかった....私を一人の女性として見てくれた事に....
私だって純君を利用したのだから....

それは昨日友人の婚約パーティーを友人の家でしている時だった。
「ゴメン....お手洗いを貸してね!」
友人に断ってトイレを借りて部屋の前まで来た時友人達の声が聞こえてきた。
「ちょっと!もう少し梓にも話しかけてあげてよ!」
「いやぁ....わかってはいるんだけど....なんか網を張って獲物を待っている蜘蛛に見えちゃって....」
「そうそう!なんか真剣なんだよな....それが伝わってきて腰が引けるんだよなぁ....」
「でも....あの体は魅力的だろ!」
「そうだけど....その後で結婚を強要されそうで....起つモノも起たなくなるよ!」
「違いない!遊びならお願いしたいんだけどね!」
「何言ってんの!梓は真剣なんだよ!」
「だからだよ!ヴァージンだって噂もあるし....余計にね!」
確かに友人達の会話は正直な感想なんだろう....友人だからこそ私を弄んで捨てる....そんな事が出来ないからこその言葉なのだろう....それがわかったからこそ怒れなかった....私はゆっくりとドアを開けて
「ゴメン....今、会社から電話があって....明日の打ち合わせがあるから直ぐ来いって......だからこれで失礼するね!あっ!お祝い..何がいいか考えておいてね!でもあまり高い物は遠慮してね!」
私はそう言って友人の家を出た。帰り道なんだか自分が惨めに思えた。
(やっぱりこの年齢でヴァージンだっていうのはキツいのかなぁ....だからといって適当な男で捨てるのも勿体無いし....)
その時思い浮かんだのが純君だった....ネットカフェに入って、適当にネットサーフィンをしながら考えた....考えた末....酔って純君の部屋に入って誘惑してHをする....そしてそれをお酒のせいにして忘れる....問題は純君がその気になってくれるかなのだが....あの年齢ならヤリたくてしょうがない年齢なので問題ない....そう自分に言い聞かせた....それから居酒屋に入ってお酒を口にしたが酔えなかった....さすがにシラフで純君を誘惑するなんてとても出来ない....だからお酒の力を借りたのに....だけど今日は意識を無くすまで酔うわけにはいかなかった....
「今日はやめよう....」
憂鬱な気分で部屋に帰ろうとエレベーターを降りた時、私の部屋から純君が出て来るのが見えた。私は慌ててエレベーターに乗り込み下の階で降り体を隠し、純君が部屋に帰って来るのを待って酔っ払ったフリをして純君の部屋に入り込んだ。想像通り純君は私に襲いかかって来る事はなかったので恥ずかしかったけど私から誘惑した....
「ん....んん....」
純君が目覚める気配があったので慌てて目を閉じた。
「ん?梓さん?あっ....そうか....」
純君が呟いた。私は昨日考えていたシュミレーション通りに....
「んん......頭が痛い......」
けだるそうな声を出して目を開けた。純君と目があった。
「えっ!えっ!なんで?」
私は軽くパニックになった風を装った。


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