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LADY GUN
【推理 推理小説】

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愛とレイプ-6

 署に着くと若菜と違い浮ついた意識を全て捨て去る静香。静香にとっては戦場に着いたような心構えだった。
 「若菜、悪いけど今日は篠原さんについて行ってくれないかな?」
 「え〜?どうしてですかぁ?私、先輩と仕事がしたいですぅ。」
ふてくされる若菜。
 「今日は1日高田道彦が所持していた動画を更に細かく見て調べるの。若菜には刺激が強すぎる…というかきっと耐えられないと思うから。」
 「あ、大丈夫ですよ。私けっこうレンタルでレイプもん借りてきますから。」
あまりに軽く考え過ぎている若菜に苛っとする静香。
 「あんな作り物と比べちゃダメよ!あんなの見てる人間を興奮させる為にしか作ってないんだから!今から見なきゃいけないのはそんな作り物とは違うんだからね!?」
むきになる静香に一瞬驚いたがすぐさま言い返す。
 「私だって刑事なんです!現実をちゃんと見なきゃ足手まといになるだけです!」
珍しく息巻いて反論する若菜に逆に驚かされた。静香は若菜にあんな悲惨な物を見せたくなかった。
 (この子に傷付いて欲しくない…)
しかし目の前で真剣に向き合ってくる若菜を見て思った。
 (…上原正芳の血筋にかけてみるか…)
それは諸刃の剣だ。悪い方向に行けば恐怖に襲われ全ての事に対して怯えてしまう人間になる可能性もある。あまりに卑怯で汚い悪に刑事としての志を失ってしまう恐れもある。しかし自分に立ち向かってきた若菜に賭けたい気持ちも生まれた。
 「分かったわ?じゃあ一緒に動画検証しましょう。」
 「はい!」
静香は若菜を連れてモニター室へ向かった。そこには道彦の持っていたDVDや動画ファイルが保管されている。それ程大きくない部屋に2人で入る。
 「古い日付順に見ていくわよ?一番初めのは美山静香という女性刑事がレイプされた一連の動画よ?」
 「先輩と同じ名前ですね。」
 「そうね。静香という名前は優秀で美人な刑事が多いのよ?」
 「…」
 「今の、ジョークよ?」
 「そうなんですか?ウケるー。」
 「…ウケてないよね…?」
 「…」
 「…」
妙な空気が流れた。
 「じ、じゃあ見るわよ?」
 「はい。」
静香の顔が赤かったのは今から卑猥な動画を見るからではなかった…。


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