アイノカタチ-5
「そうじゃなくて……」
説明しようとしたが上手く説明出来そうになくて、リュディはモゴモゴと言葉を濁す。
「?」
きょとんと首を傾げるパルに、リュディは息を吐いて苦笑した。
「いつか……分かるよ」
言葉で説明して分かるならテオもそうしてる。
態度で示してやらないと分からないだろうから、そうしているのだろう。
(……でも……魔物の愛情って、人間と同じなのかな……?)
友情は同じだと思う……少なくとも、パルと友情で結ばれているとリュディは信じている。
だが、愛情となると……分からないが、人間にとっての愛情がパルに伝われば良いな、とリュディは思うのだった。
数日後、テオ達一行はベランナが群生している地域へと向かっていた。
但し、パルを除いて……結界内に居る方が楽だし、ベランナに興味はないから……という理由だったが、テオは微妙にヘコむ。
パルと食事抜きでヤッてから避けられている気がする。
(良くなかった……か……?)
テオ的には最高に満足したが、一方的過ぎたのだろうか?
しかし、パルも気持ち良いと言って悦んでいたが……そういえば、あの時はそのままパルが気を失ってしまって感想を聞いてない。
起きてから聞けばいいか、と思っていたら起きたら彼女は居なかった。
探してみれば外に居るし、その後も逃げるようにリュディの元へ行ってしまった。
「なあ、リュディ」
ピィの背中で揺られながら前に座るリュディに声をかける。
羽馬での移動は危険なのでピィに乗る事になった。
3メートル越えのピィなら、テオ、リュディ、ランス、ノアの4人を乗せてもまだ余裕があるからだ。
更に蒸気を吹くという攻撃が出来るので、何かあった時に戦力にもなる。
リュディはピィのミントグリーンの毛を掴み、落ちないように注意しながらテオに振り返った。
「パルさ、なんか言ってたか?」
小さい声で聞いてきたテオに、リュディは苦笑いする。
「意味分かんない……無意味……リュディが相手すれば?」
リュディの答えにテオはドーンと落ち込んだ。
「でも……それは朝の挨拶の事……セックスについては……何も……」
「……お前な……」
セックスについて言ったのかと思い、無駄に落ち込んでしまったじゃないか、とテオはリュディを睨んだ。