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密約旅行
【熟女/人妻 官能小説】

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前編-4

(4)


 ロビーで名前とルームナンバーが告げられ、キーを受け取る。そのまま喫煙スペースに行き、スナックのマッチを持って待っていると、やはり同じマッチを持った男たちがやってくる。マッチには部屋の番号が書いてある。黙って交換して部屋に向かう。ルール通り確認が終わった。前回も同様の方法であった。言葉は交わさない。

「老人っていう感じはあまりしないわね」
部屋でまたビールを飲み出した由里は少し酔っていた。
「もうやめといたほうがいいわよ」
「だって、ちょっと酔わないとさ。何だか……」
「でもたしかに齢よりは若く見えるわ。少しほっとした」
「まあね……」
由里はそれ以上言わなかったが、気持ちはわかる。この期に及んでも気が乗らないのは知恵子も同じだった。

 途中で嫌悪感に襲われて拒否してしまったらまずいことになる。条件を知った上でやってきたのだから、逃げるわけにはいかない。
 気になっていたのは、もし結合できなければ抱いているだけでいいと言っていることだ。抱くといって、どのくらいそうしているのか、いつまでもべたべたとくっついていられるのは困る。果てないまま気持ちだけ奮っているとすればしつこいことになるかもしれない。
(早く終わってくれたほうがいい……)
状況によってはこっちから手助けしてやろう。出しちゃえばその気も失せていくだろう。
 由里に話すと、
「それでいこうよ。ねちねち体を触られるのはいやだもん。一回出したらもうおしまいだと思うわ。万一向こうから相手を替える話がでたら断ろう。それは言ってもいいと思うよ」
「そうよね。早く片付けよう」
何だか雑用を処理するみたいだと思い、知恵子は可笑しくなった。

 内線をかけて時間を八時と伝えたのも、億劫なことは早めに済ませようという思いからだった。
「ひと風呂浴びますか」
由里はおどけてタオルを肩にかけた。
「食事までまだ時間があるね」
「うん……」
浴衣に着替えるために服を脱いでブラジャーを外すと、後ろから由里が抱き付いてきた。
「あ、由里、待ってよ」
「ふふ……」
乳房を揉まれ、項に唇を受けた。
「由里……まだ早いわ。酔ってるの?」
言いながら、知恵子はよろよろと腰を落としていった。
心地よさが潤いに繋がり、知恵子も由里の体を抱き寄せていた。



 食事をしながら、知恵子は発熱したように体の不安定さを感じ続けていた。由里も顔が火照っている。結局風呂には行かなかったのだからそのせいではない。行くつもりだったのが、抱き合っているうちに素裸になって夢中になってしまったのだった。
「ね、後にしよう……ね」
「うん……」
そう言いながら互いに弄る手の動きを止めない。止めないから快感が全身を巡り始める。膣がイソギンチャクみたいにきゅっと締まって、液が溢れてからはもういけなかった。駆け足で頂を目指していた。

 由里も息を乱して知恵子の上になり、下腹部へと唇を移動させていく。予感があり、
「だめよ……そこまでよ。下はだめ。汚れてる」
昨日の夕方に入浴してから丸一日経っている。
「あとで、あとで……」
体を捩る。陶酔感に包まれながらもそれだけは避けたかったし、由里もわかっていると思った。
「うん、わかってる……」
繁みに差しかかり、由里が言ったのでふっと力を抜いた時、
(まさか!)の唇が花芯を捉えた。
「うう!だめって言ってるのに!」

 あまりの刺激に由里の頭を押さえたまま体は逃れられない。快感が身の内を這いずり回る。
 由里の舌は亀裂を清めるようになぞり、ときおり不意をついて突起に触れてくる。
「あう!汚いよ、由里、ごめんね、由里……」
まるでうわ言だった。
「ああ、感じる……」

(このままイキそう……)
道筋を確認すると由里を忘れていたことに気づいた。
「由里、一緒に……」
彼女の頭を撫でて促す。由里はいったん口を離し、四つん這いの恰好で知恵子の顔を跨いできた。
「汚いよ」
「いいの。来て……」
(自分は舐めておいて……)

 開いた股が顔に近づく。割れ目を縁取る陰毛はべっとりと濡れて肌にへばり付いている。
 ぷんと鼻をつく臭いは女に共通のものだ。ふだんなら顔をそむける臭い。生臭さ、酸化臭、尿や汗の籠った臭い。それがこの時は錯乱を呼んだ。赤く突き出たクリトリスに吸いついた。
「ううう……」
由里が花園に口を埋めたまま声を上げたのでバイブレーターとなって響いた。
「由里!もうだめ!」
由里の舌が高速に回転し、知恵子も腰のくびれにしがみついて淫口に埋没した。
「イクゥ……」
二人の体の振動が唸りながら合致した。

 そのまましばらく放心状態で、ようやく起き上がった時は食事の時間が間近だった。
「このままお風呂に入って眠りたい気持ち……」
「ほんとね……。二人で眠りたいわね。なんだか面倒になっちゃった」
(そうもいかないし……)
お手拭きで拭ったのだが、口の周りには由里の臭いが漂っていた。 


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