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LADY GUN
【推理 推理小説】

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挑戦状-7

 2枚目のDVDが再生された瞬間、それまで女としての苦しみと悲しみに吐きそうで無言だった静香の様子が変わった。
 「あっ!!」
映像を観た静香の顔色が変わる。
 「どうした!?」
中山が聞いた。
 「この場所…見覚えがある…」
 「えっ??」
島田と中山が驚いた顔で静香を見た。
 「この場所…忘れもしない。あの場所です!!」
興奮している静香。
 「落ち着け!あの場所とは…、あっ…まさか!?」
中山も気付いたようだ。
 「私が2人の人間の命を落としてしまった場所…。白木村にある山奥の倉庫です!!」
 「な、なに…!?」
島田は驚いた。
 「これではっきりしました。犯人は私が憎くて復讐をしてるんです。私が殺してしまった高田の親族か、それとも彼を慕う仲間か…。間違いない。挑戦状にわざわざあの場所を選ぶんだから。私、あの現場に行きます!!」
 「おい、ちょっと待て!罠かも知れないだろ!?」
 「罠でもいい。今の進まない捜査状況を見てもこれは最大のチャンスです!行かせて下さい!!」
何を言っても止めたって従わないであろう静香の形相に島田は決断する。
 「よし、刑事を集めて現場に急行するんだ!」
 「はい!」
中山が刑事を緊急召集する。
 「おい皆川!無理するなよ?」
静香は一瞬動きを止めて島田に返事する。
 「私は…あの場所で死ねるなら本望です。」
 「お、おい…」
複雑な表情を浮かべる島田。そんな島田を見て静香は微笑んだ。
 「大丈夫です。私には1人前に育てたい大切な部下がいます。その部下を育てないで死んだら上原さんに顔向けできませんから…。」
 「…、くれぐれも気をつけてな?」
 「はい!」
敬礼をして飛び出して行った静香。慌ただしくなった署内が騒然とする。
 急ぐ静香の姿を若菜が見つけた。
 「先輩、出動ですか!?」
足を止める静香の表情が強張る。
 「悪いけど若菜は留守番!」
 「えっ!?どうしてですか!?私も行く!!」
様々な思いを胸に秘める静香はついつい激しい口調で若菜に言った。
 「ダメっ!!言う事を聞きなさい!」
 「先輩…」
静香の苛ついたような声に若菜は泣きそうになる。それを見た静香はハッとして若菜の肩に手を置いて言った。
 「若菜、ごめん。今日は残って…?」
静香の目は自分を心配しているような目をしているように思えた。
 「分かりました…。」
若菜は静香を困らせたくないという気持ちになった。
 「うん。また明日一緒に捜査に行こうね?」
 「はい!」
 「うん。」
若菜の頭を撫で笑顔を見せた静香。愛する部下を置き走り去った。
 (あなたを連れて行く訳にはいかないの、あの場所には。ごめんね?)
静香は胸を締め付けられるような思いで署を出て車に乗り込み、集まった刑事らとともにあの因縁の場所に急行したのであった。


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