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It's
【ラブコメ 官能小説】

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△△△△△-5

目をきつく閉じて、ピクンと身体を震わせる。
「んぁぁ…あっ…」
湊は絶頂を迎えたことを悟ったはずだ。
しかし、動きを止めようとしない。
「み…湊っ……あぁっ…や…だっ!」
構わず腰を送り続け、今度はクリトリスを激しく擦り上げる。
「いやぁっ!やだぁっ!…やめてっ……」
膣内が、ギュッと湊を締め付ける。
陽向は半べそで汗が滲んだ湊の腕を叩いた。
「あっ…は……」
「ダメっ!ダメ…だからっ…ぃあ!」
「んぁっ……イくっ…」
クリトリスを弄ばれたまま、更に激しく突き上げられる。
本気で頭がおかしくなってしまいそうだ。
陽向は涙を流して、いやいやと頭を振った。
身体がまたビクッと震える。
「ぃあっ…あっ!…んんぁっ!」
「っあ…」
断続的に収縮する中から引き抜くと、湊は陽向のお腹に欲望を吐き出した。
陽向はぐったりして、ぼやんとする頭で自分の中から愛液ではない何かが出るのを自覚した。
荒い息が整わない。
湊が後処理をしている。
「やべー。やりすぎた」
湊は口をへの字に曲げて苦笑した。
「シーツびっしょびしょ」
「へ…」
起き上がってよく見ると、愛液ではない何かでシーツを汚してしまっている。
陽向は激しい羞恥に襲われた。
恥ずかしすぎて涙が溢れる。
「うぅ……っう…」
「おい、何で泣くんだよ」
「わがんないぃっ…っう…」
「陽向?」
「恥ずかしいぃっ…ごめ…なさいっ…」
湊はぷっと吹き出して陽向の乱れた髪を撫で、優しく抱き締めた。
「気持ちよかったんやねー」
「っく…っう……ばか」
「そんな怒るなよ」
真っ赤なほっぺたを両手で包み、親指で涙を拭われる。
しかし到底拭い切れるわけもなく、ポロポロと涙が零れ続ける。
「湊のばか!」
湊の腕を思い切り殴って毛布にくるまり、背を向けて寝転んだ。
「ひなちゃーん」
すかさず後ろから抱き締められる。
「ばか変態!来るな!」
「おーい」
「黙れっ!」
「あそ」
湊はしれっとした顔で起き上がり、着替えをし始めた。
来るなとか言ったくせになんだかさみしくなり、こっそり湊の姿を伺う。
「お前シーツ変えろな」
急に冷たくされ、落ち込む。
「……」
「おい、聞ーてんの?」
少し怒った顔でこちらを見ている。
陽向はまた涙を流した。
湊は堪えきれないといったように笑い、陽向を抱き起こした。
「ビビった?」
コクンと頷く。
湊はケタケタ笑い、「風呂入るぞ」と言って陽向の頭を撫で、バスルームへ向かった。

その後陽向は死んだように眠ったが、朝方に目が覚めた。
すぐ近くに湊の寝顔がある。
湊を抱き枕のようにして眠ってしまっていたため、右腕が少し痛い。
起こさないようにゆっくり起き上がったが、湊は「もう朝?」と眠そうな声を出し、目覚めてしまった。
「まだ5時だよ。…ちょっとトイレ」
「…そ」
湊はまた寝始めた。
陽向はトイレを済ませると、カップボードの戸棚の一番奥に隠してある箱を取り出してニヤニヤした。
クリスマスは今日だ。
湊は昨日のプレゼントで終わりだと思っているに違いない。
窓際のポールハンガーに引っ掛けてある大きめの赤い靴下を手に取り、箱を中に入れる。
静かにベッドルームへ戻ると、陽向は湊の枕元に靴下を置いた。
また隣に寝そべる。
「冷たい…気持ちい…」
湊は陽向を抱き締めてそう言った。
冷たい空気にしばらく包まれていたため、身体が冷えてしまった。
「あったかい…」
陽向は湊にしがみついて呟いた。
湊は目を閉じたまま、陽向の鼻にキスをした。
陽向は起きた時の湊の反応を楽しみにしながら、温もりの中で目を閉じた。

「…えっ?!なにこれ」
10時過ぎ、湊が目を覚ましたようだ。
陽向は熟睡してる時に叩き起こされ、最高に目覚めが悪かった。
「…ん」
「陽向!!!」
「…う…なん」
「おい、起きろよ!」
「うるさ…」
無理矢理起こされる。
半開きの視界に、湊の驚く顔が映った。
「サンタ来た!」
湊の発言に陽向は笑った。
「よかったね」
「え…てかマジなの?どゆこと?」
「今日はクリスマスだよ」
「知ってっけど。昨日くれたじゃん」
「昨日のは誕生日プレゼントだもん」
陽向が寝起きの掠れた声で言うと、湊は「たまげたー」とはにかんだ。
「開けていい?」
「うん」
包み紙を丁寧に剥がし、箱を開ける。
が、その中にはまた箱。
それを2回ほど繰り返す。
「マトリョーシカかよ」
「あはは」
最後の木箱を開けると、湊は目を丸くした。
そこには、『1991』と書かれた赤ワインが入っていた。
「えっ?!え?すげー!」
陽向の顔を見て湊は大声を上げた。
「生まれ年のワイン?!」
「そーだよ」
「どこで買った?」
「秘密ー」
「やべー。サンキュー。大切に飲むわ」
湊は立ち上がりキッチンに向かうと、カウンターにワインを飾った。
「ワイン置くやつ買わねーとな」
「ドンキで買いなよ」
「は?もっといーとこで買うわ」
2人で笑いながらソファーに座る。
「つーかお前も同じ年じゃん」
「あたしも飲んでいいやつだ」
「ですね」
「いつ飲もーか?」
「んー…」
湊は考えた後、ニッと笑った。
「2、3年後かねー?」
「えー。もっと早く飲もうよー」
「そん時、俺ら何してんのかな」
湊は陽向の右手のピンキーリングをいじって呟いた。
「何してるかねー」
「この指輪よりもっといーやつが左にあるかもな」
陽向はクスクス笑った。
「え?」
「え?」
2人で笑い合う。
湊は陽向の頭を撫でて、「なんちゃって」とはにかんだ。


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