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LADY GUN
【推理 推理小説】

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先輩…-7

 署に着き更衣室に入る2人。
 「若菜、替えの服ないの?」
 「も、持ってません。」
 「ダメよ〜。女の子なんだから替えの服くらい置いておかないと。」
今度は濡れたタオルで若菜の太股を拭いてあげる静香。
 「ゴメンナサイ…先輩にそんな汚い液触らせちゃって…。」
 「ん?平気よこんなの。私は何度も死体を見てるし流れた血も見るし触りもする。それに比べたらこんなただのイカ臭い液体なんか鼻くそみたいなもんだわ?それにいつも俊介の…」
 「角田さんの?」
 「あ、な、何でもない…。」
慌てて言葉を止めた静香。
 「いつも角田さんの、何ですか??」
 「な、何でもないわよ…。」
 「え〜、気になる〜!角田さんの何ですか〜!?」
いい加減しつこい若菜にイラッとした静香。
 「何でもねーっつってんだよ!」
そして若菜の頭をぶっ叩く。
 「い、痛いっっ!せ、先輩たまに人が変わります〜!」
 「あら?私とした事が。オホホホ!」
 「今時オホホホなんて言う人いませんよー!」
 「るせぇ!」
 「痛ぁぁい!」
見事な音が更衣室に響く。
 「さ、いつまでも痴漢にネバ液ぶっかけられた間抜けな刑事さんのお世話ばかりしてらんないわ。捜査行くわよ!」
 「あ、待って下さいよ〜!先輩ぃぃ〜!」
慌てて後を追いかける若菜は頭の痛みを感じながらも何となく静香との距離が近くなったような気がして嬉しかったりする。聞き込み等、麻薬捜査を続ける2人。
 「先輩、今日ランチは何にします〜?」
 「もぅ、いつもご飯の事しか考えてないんだから。」
 「だって先輩に任せたらそばとかうどんばかりでオヤジ臭いんだもん。」
 「大きなお世話よ!だいたい刑事がランチでおフランスとか食べてる場合じゃないでしょ!ほら、ここ入るよ!」
 「え〜?定食屋ですか〜?」
 「だったらセブンでアンパンでも食べてなさい!」
 「わ、分かりましたよ〜!」
定食屋に入る。そしてうどんを食べながらシラ〜ッとした目で若菜を見る静香。
 (か、カツ丼かよ…。)
何だかんだ言って美味そうにカツ丼を食べる若菜に思わず微笑する。
 (私もあなたと同じ事言いながら良くお父さんと定食屋でご飯食べてたのよ?フフフ、あなたのお父さんもカツ丼大好きだったわね。いつも食べてた。あなたと同じようにほっぺにご飯粒つけながらね。)
胸が温まる。
 「ん?何ですか?私の顔に何かついてますか?」
ジーっと見つめる視線に気付く。
 「ご飯粒ついてるよ?」
 「あ、ホントだ…。」
リアルに顔に何かついていた。そのご飯粒をつまみ口に入れる仕草まで父そっくりだった。ちなみに食べ終わった後のゲップまで瓜二つなのには笑った。
 「じゃ、行くよ?」
 「はい!」
自分を連れて捜査に出掛けていた時の恩師の気持ちが最近良く分かる気がした静香だった。
 「先輩〜!」
午後も静香を呼ぶ若菜の声が街中で聞こえる。


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