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LADY GUN
【推理 推理小説】

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先輩…-6

 微妙な雰囲気のまま電車に乗った2人だったが、そこは人懐っこい若菜。次第にいつもと変わらぬ会話に戻る。しかしいきなり若菜の口数が減ってきた。
 (な、なに?この子まだ私がレズじゃないか疑ってるのかな…?)
そう思うと静香の口数も減ってきた。気になって若菜をチラッと見ると、顔を赤くして上目使いでこっちを見ている若菜と目が合った。ドキッとして思わず窓の外に目をやる静香。それから無言のまま電車を降りた。電車のドアが閉まり走り出した時、若菜がモジモジしながら話し掛けてきた。
 「せ、先輩…」
 「な、なぁに??」
 「痴漢…」
 「え?」
 「私ずっと痴漢されてました…。」
 「はぁ!?何で言わなかったのよ!」
 「だって〜、初めは先輩が私のお尻を撫でてるんだと思ったから…。」
 「な、何で私があんたのお尻撫でなきゃならないのよ!?」
 「いや…やっぱりレズっ気があるのかなって…。」
 「ないっつーの!!あんたどんだけ私にレズ疑惑抱いてんのよ!!」
思わず顔を赤くした静香。
 「そ、そしたら先輩の手はどっちも吊革に掛かってるし、じゃあ誰なのって思って振り向いたら変なオジサンがニヤッて笑ってて、怖くて体が固まっちゃって…。そしたらそのうちお尻に堅いものが当たってきて…。それが足の付け根の間に入ったり出たりして…そしたら…そしたら…」
 「そしたら…?」
 「な、なんかネバネバしたのがスカートの中に…。」
 「えっ!?」
静香が驚いて若菜の下半身を見ると、白い液体がスカートの内側から垂れているのが見えた。
 「な、何で言わないのよ!?」
静香は慌てて若菜を連れてトイレへ駆け込む。
 「黙ってちゃダメでしょ!?ったく…あんた刑事でしょ!?」
 「だって怖かったんだもん…」
半べそ状態の若菜の体に付着した痴漢液を自分のハンカチで拭き取る。
 「先輩ゴメンナサイ…」
 「いいからいいから。取り合えず署に向かうわよ?」
 「はい…」
未だに怯える若菜を連れて署に向かった静香だった。


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