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OGRE
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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OGRE-1

ナンデ、ボクハアカイノ?




暗い洞窟にただ佇む
独りぼっちの僕
人肌が恋しく町へ出た
町人は恐れ戦き
目を見張る
でも僕には君しか映らない
君に近づく僕後退る君
君の横にいた青年が
僕に石を投げつけると
赤褐色の肌から
朱い血が流れだす
するとみんなが投げ出した
僕は逃げる
けれども心は
君の側から離れない

洞窟の中
君がちらつく
勝気な君の瞳を
真っ直ぐ僕へと向けた顔
会いたくて会いたくて
冷たい月夜
闇に紛れ行く
君の家に着くと汗ばむ手
君は声を上げ
僕の歪んだ笑顔呆気なく散る
昼間の青年が斬りつける
血だらけの腕で君を抱いて走る
何も見えない
ただ朱い血が君を汚す
腕よりも胸の痛みが激しい

僕は人間になりたかった
君と笑い会えるように
この思いが伝わるように

洞窟の角で蹲る
君は僕を見つめ続ける
どれだけ時がたったのか
君は僕の傷を縛り
顔を向ける
僕はただ君に伝えたかったんだ
何を?
“君が好きだ”と
遠くで歓声と
君の悲鳴が聞こえる
青年が僕の首を持ち
君に笑いかける
朱い姿は僕そっくり
君は青年と抱き合い涙流す
そして青年とHAPPY END




ワスレナイデ、アカハイタミノイロ……


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