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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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追跡-2

 次の朝、情けないことに妻と顔を合わせるのが恥ずかしかった。会話をするのにもドギマギしていた。妻は全く普段どおりだったのだが。
 その日を境に性行為が変化していった。愛する者同士では当たり前のことかも知れないが、ペニスを握ってきたり上に乗って結合したりするようになった。ペニスがすぐに抜けてしまうので苦労しているようだった。もっと大きくて長ければ、と思ったとたん恥ずかしさが込み上げた。
 妻の下半身はハワイで見たフラダンサーのように艶めかしかった。
 妻の方が積極的になってきた、と言った方がよい。そんな妻の変貌がうれしく、戸惑った。
 娘も言っていたように妻の体型は変化している。明らかにウエストがくびれ、そのせいで体の曲線が強調される。服を着ていても分かるくらいなので、裸になるとなおさらである。セックスで上になったときに際立つ。化粧のしかたも変わり、妻は本当に綺麗になった。
 しかしここ最近、疲れているようにも感じていた。話しかけても上の空のときもある。悩み事でもあるのだろうかと思い、そのことを聞くと明るい声で「ううん、ぜんぜん。そんなことはないから」と答える。
 今日は町内会に出席していて帰りが少し遅くなるらしい。
 風呂から上がるといつもなら脱衣場の、と言っても洗濯機を置いただけで窮屈になる空間だが、蓋を閉めたその洗濯機の上に新しい下着が用意されている。どうやら今日は忘れたらしい。たぶん初めてのことだ。
 しかたがないのでバスタオルを腰に巻き、タンスのある部屋に向かった。
 自分の下着が入っている引き出しがどこか分からないので、適当に開けるとベージュのブラジャーが目に入った。娘は全部自分の部屋に置いてあるので、これは妻のだ。
 二階にいる娘を意識ながら、ちょっとした好奇心からブラジャーを手に取ってみた。触ったのは初めてだった。カップサイズは分からないが、思ったより硬かったので「へー、痛くないのかねえ」――などと照れ隠しのつもりでわざと声に出す。
 その下を見ると、小さく丸めたものがたくさんあった。よく見るとパンティだった。一人で顔を赤くして引き出しを閉めようとしたとき奥の方に、ほとんどが白やベージュの下に鮮やかな色彩が目に触れた。
(こんな色を持っているんだ……)
 天井を意識しながらつまんでみると明るいオレンジ色だった。恐る恐る広げてから、かざしてみて息を呑んだ。きわめて生地がうすく、向こう側が透けて見えるからだ。これを穿けば明らかに透けてしまうだろう。慌てて丸めると驚くほど小さくなった。
 好奇心を抑えられずもう少し奥の方を見てみると、フリルが付いた上下セットのセクシーな下着があった。何の生地か分からないが、触れるとスルスルして手触りがいい。
 下着だけで妙な気分になり、下着泥棒の気持ちが何となく分かった気がした。
 探ると腰のところで縛るタイプが多かった。ヒモ状のみものは初め何だか分からなかったが形を作っていくうち、これもパンティのひとつであることが分かった。こんな細いヒモでとても大事な部分が隠れるとは思えない。
 奥の方にあるパンティは、ほとんどがお尻を隠すことなどできない、Tバックタイプとでもいうのだろうか、そればかりであった。色はどれも鮮やかで薄く透けていて、穿けるのだろうかと思えるほど小さい。
 一番奥に白いパンティがあり、なぜかホッとした。手に取ると同じように生地がスルスルしている。広げてみてドキッとした。あの部分にスリットが入っていたからだ。
(こ、これって……)
 動悸がして犬のような呼吸となった。
 ”顔がどうだの、チカとかガンガン、田倉部長がどうのこうの……”
 なぜか、酔った石橋が口にしていたのを不意に思い出した。


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