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強姦主義者 『T』
【レイプ 官能小説】

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家族-11

 瑞穂の作ったカレーは今まで食べた中で一番美味いカレーだった。田口は無言で瑞穂のカレーをあっと言う間にたいらげおかわりをした。完食した後、田口はボソッと言った。
 「こんな風にテーブルに座ってちゃんと飯を食ったの、いつぶりだろう…」
瑞穂は微笑しながら言った。
 「これからはこうして毎日お母さんとご飯食べるんだからね?」
 「お母さんて感じしないよ。どうみてもお姉さんだよ。」
 「でもいいよ?」
 「てか何て呼べばいいんですか?」
 「好きに呼んでよ。」
 「…、瑞穂さん…?」
 「いいよ?お父さんからは母親の役割しろって言われたけど、あんまり拘らないわ?教育係って事でいいよ。どんな役割でもしてあげるよ。」
瑞穂はそう言った。そして少しの沈黙の後、真剣な顔で言った。
 「道彦は怯えた女刑事に発砲されて命を奪われたの。」
 「え…?」
 「先に銃を取り出し銃口を向けたのもその女刑事。道彦と喜多君に怯えた女刑事が混乱して引き金を引いた。下を向いて目も閉じてたみたい。訳も分からず恐怖に混乱して引いた引き金から撃たれた銃弾に道彦は命を落としたのよ。」
初めて詳しい事情を聞いた。田口は瑞穂の目をジッと見ながら言った。
 「皆川…静香…」
田口がその名前を言った瞬間、瑞穂は驚いた表情を浮かべた。
 「知ってたの…?」
 「あいつか…!あいつがアニキを…アニキを殺したのか…!!」
田口の顔が怒りに満ちる。皆川静香を知っていたのは瑞穂にとっては誤算だった。
 「一度、麻薬所持の疑いで警察に行った事があります。その時に取り調べした刑事が喜多さんが殺した刑事。その刑事についていた女刑事がいました。それが皆川静香…。見せられた警察手帳にそう書いてあった。奴らペアで行動しているんだろう…。て事は殺された刑事、上原正芳とともにあの現場にいたのは皆川静香って事になりますよね…。そうか、あの野郎か…。あの使えなそうな奴…、あいつか…!くそっ!とっ捕まえてぶっ殺してやる!!」
怒りが込み上げる。
 「徹、今はダメ。彼女へのガードは暫く固いだろうし動いちゃダメ。それに父の裏のビジネスを今突き止められる訳にはいかないの。抑えて?」
 「そうか!瑞穂さんはお父さんの裏ビジネスの為に俺を監視してるって訳か!?ふざけんなよ!アニキが殺されて悲しくないのかよ!悔しくないのかよ!!あんたはアニキなんてどうでもいいんだな!?それよりお父さんの方が大事なんだな!?」
逆上した田口。しかしその田口をも黙らせてしまったのは瑞穂だった。
 「悔しいに決まってんだろ!!悔しいに決まってんだろうが!?分かったような口、叩いてんじゃねぇよこのガキがっっ!道彦は私がずっと可愛がってきた大切な大切な弟なんだぞ!?どんなに悔しいかテメーに分かってたまるかコラッ!!」
田口が萎縮してしまう程の迫力と威圧感だ。まさに鬼の姿がそこにはあった。


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