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想いを言葉にかえられなくても
【学園物 官能小説】

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想いを言葉にかえられなくても《トロイメライ》-1

 ねぇ『約束』覚えてる?幼い頃の小さな約束。何回小指を絡ませたっけ。約束する度に「嘘ついたら針千本の〜ますっ」って。笑い合ったよね。
 でもさ、最後の日の最後の『約束』…これだけは忘れないで欲しいな。今のあたし達を繋ぐのは、もう『約束』しかないんだから。

 神様…今迄、勝手やってきたあたしだけど。どうか……叶えて下さい。その為ならなんだってするから…お願い。神様…

………………
「んあっ、苦しいっ…あうっ、あああっ…!」
「苺…はっ、はっ……っぁ、いち…ご…」
 学校帰りに立ち寄る教会。神父さんも居ない廃墟となりつつ教会に、部活帰りの私達はよく立ち寄った。鍵は昔から掛かっていなくて、薄気味悪がって誰も近付かないから都合も良かった。
 そんな場所で毎日、馬鹿みたいに肌を求め合った。中学生だった私達は、自慰なんかとは比べ物にならないくらいの快楽に虜になっていた。
「ふぁっ、いっ…いぁっ……んうぅっ、せい…せ……いぃぃ!」
 ずちゅ…ぢゅ…ぬぷっ…ぢゅ…ずちゅ…
「聖っ…いいのっ……はぁっん…ぅっ…あっ…あっあああっ…!!!」
「苺……出すよ…?いい…?っあ…あっ…あっ…苺、苺っ!」
「きて…んあっ…聖っ、あっっ…せ…いっ…あああっ!」
 びゅ、びゅびゅ…びゅるるるっ…
「あんっ…いっぱい。漏れちゃう…」
「はぁ…はぁ、はぁっ…苺…。」
「聖…」
 ステンドグラスを通して月明りがキラキラと瞬いている。
「ねぇ、聖。あの…」
 汗をかいた身体が離れる。
「苺…もう、やめよう…」


 キーンコーンカーンコーンッ
 ビクッ!
「っぁ…れ?ゆ、夢か…」
「夢か…じゃないよ!ほら …早く立って!」
 見渡せば、私が立つのを皆が待っている。
「ミス、タカサキ!居眠りは授業じゃありませんよ。今日の課題と一緒に、教科書のレッスン部分の英文を全て書き写して提出して下さいね。」
「うそ…まぢっすか……」
「では、See you next time.Good bay! 」
「Good bay」
 ガタガタ…授業終了を機にざわつき始める教室。
「イチコ、どんまぁい!」
「寝てたイチコが悪いんだぞぉ」
「二人とも人事だと思って〜!」
 きゃはははっ!怒ったあたしから逃げる様に教室を出て行く二人。夏海(ナツミ)と怜奈(レイナ)。
「ねぇイチコ!次、体育だよっ!体育館だって」
 廊下から声をかける二人。追い掛ける様に、ジャージを持って体育館に向かった。


 あたし、高崎 苺。(タカサキ イチゴ)通称イチコ。苺なんて可愛らしくて、ちょっと恥ずかしいから…こう呼んでもらってます。
 今年で18歳。橘高専の3年。えっと、橘高専はその名の通り高校+専門学校なのです。5年間勉強します。ん…説明は、苦手なので詳しくは他の人に聞いてね(汗)
 さっきの夢は、まだ生理も来てない中学生の頃。幸せだった、あの頃。
 夢は……その幸せの最後の日。よく見る夢。もう何度目だろ…。前は寝ながら涙が溢れていたのに、今はもう枯れちゃったみたい。


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