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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈晴らすべき闇〉-16

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「仕方ない……ここで待つしかないわね」


春奈達は、八代の車の見える離れた位置に車を止め、再び車に戻るのを待つ事にした。
いつまでも此所に駐車するとは思えないし、今度こそ見失う訳にはいかなかった。


「喜多川先輩!」


それほど時間は掛からず八代は現れた。
特に変わった様子も無く、辺りを伺うわけでも無い。八代の車が静かに発車すると、景子達の車も後をつける。

途中、あちこちに停車して、ふらりと降りたりはするが、何か事件を匂わせるような不審な行動は皆無で、実りの無い時間の経過と共に、高かった陽射しは徐々に傾いていった。


「……そんな簡単には尻尾は出さない…か?」


空は赤くなっていき、やがて灰色に染まっていく。
そして気の早い星が、チカチカと瞬き始めた。
八代は警察署に戻って駐車場に止めてしまったし、もうこれ以上の尾行は、かなり難しいものとなる。
どんな理由があろうとも、拳銃を持ち帰る事は許されず、それは如何に景子といえど、八代相手には不利と言えた。


「……喜多川先輩って、妹さん居るんですよね…?」


ぽつりと呟くと、春奈は右手の人差し指をピンと立て、目を見開いて景子を見た。


「い、今すぐ妹さんに電話して!!悪い予感がするの!!」


突然の事に景子は驚いたようだったが、少しだけ面倒な様子で言われるままに携帯電話を掛けた。


「……出ないわね?」


もう定時の17時は過ぎていたし、いつもなら直ぐに電話に出ていた……再度、景子が電話をかけ直しても、一向に妹は電話に出ない……更に、再度かけ直した直後、無情とも言える通話が景子の鼓膜を打ち付けた……。


{お掛けになった電話は、電波の届かない場所にあるか……}



景子の顔から血の気が引き、助手席で切羽詰まった顔をしている春奈と同じ表情になって固まってしまった。
優愛が肌身離さず持っているなら、疾うに電話に出ているはず。
こんな都会で圏外など有り得なかったし、常にバッテリーの残量を気にしていた優愛が、充電を怠るとは思えなかった。


「謎は解けたわ、ガリクソン君!!」


春奈の頭に、暗い港の中で煌々と照らされた貨物船が浮かんだ。
木材を降ろしたあの船に、美津紀や瑠璃子や麻里子が運び込まれる光景が、まるでフラッシュバックのように脳内で再生されていった。
何故、昨夜に貨物船を不審と感じなかったのかを悔いる前に、景子は車を方向転換し、思い切りアクセルを踏みつけた。



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