クラスタ-23
その時、見張り台のオレンジ色の光がついっと動いて2人を照らした。
「はいは〜い。そこまで〜続きは中入ってヤッてくれ〜」
拡声器か何か使っているのか、魔法なのか……妙に響く声で伝えられ、テオは慌てて立ち上がる。
「行くぞ」
「へにゃ?」
そのまま手を引かれたパルは、足を縺れさせながらテオについて行った。
要塞内に戻ったテオは、少し迷ってから居住区に着く。
その中のひとつ……黒い扉に鷹の刻印が施してある部屋に入り、奥に進むと寝室を開けてそこにあるベットにパルを押し倒した。
「続き続き」
パルの腰辺りに股がり、いそいそと服を脱ぎつつキスを落としてくるテオにパルは首を傾げる。
「誰の部屋?」
「ホントの親父。客室使って良いってさ」
そう言って上半身脱ぎきったテオは、再びたっぷりと唇を重ねた。
(……あ……欲求不満?)
そういえばクラスタ領地に入ってからは、パルの体調も悪くてヤッてない。
今まで散々パルの為に『精』を食べさせてくれたのだから、欲求不満の相手ぐらいはしなければならないだろう。
成る程、と納得したパルはそっとテオの首に腕を回した。
テオはキスをしながら口角を上げ、本格的にキスをし出す。
「んっ ふぁ んく」
パルもそれに答え、積極的に舌を絡める。
パルの舌は細長く、少し硬い。
それが上顎をぞろりと舐めるとテオの尾てい骨辺りがずくんと反応した。
「はっ」
息継ぎの為に口を離すと、細長い舌が名残惜しそうに追いかけてくる。
薄く開いた潤んだ目に、伸ばした桃色の濡れた舌はテオのお気に入り。
テオはにやあっと笑って愛撫を首筋に移した。
「あ はあぁ」
パルの口から溜め息混じりの声が漏れる。
首筋から耳に移動し、淵に舌を這わせるとパルの肩がブルッと震えた。
「耳好きか?」
「ふぁん しゃべっ」
目を閉じてぷるぷる震えるパルの耳が、ちょっと尖る。
顔を覗き込んでみると、目の真ん中も赤く変わっていた。
「かっわいぃ」
パルのちょっと魔物っぽい姿は可愛いと思う。
本当の魔物の姿はまだ見ていないが、完全に人間の真似をしている時は、どこか無理をしているように感じるのだ。