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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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クラスタ-1


ギャキイィィン

 鬱蒼とした密林の中、激しい剣激の音が響いた。

「ぐううぅっ」

 テオは顔の前で交差させた2本のサバイバルソードに受けた衝撃に何とか耐える。

 クラスタ要塞に近づくにつれ、魔物の量は減ったがレベルが格段に上がってきた。
 今、テオが相手にしているのは2メートル半はある巨体に4本の腕を持つ人型の魔物。
 人型と言っても頭部分には出っ張った口しかなく、長い舌が伸びて汚ならしい涎を撒き散らしている。
 その魔物の4本の手には錆びた剣が握られており、上下左右から縦横無尽に攻撃してくる。
 テオは上2本の攻撃を何とか防ぎ、下からの攻撃が来る前に相手の腹に蹴りを入れた。

「だあっ!!」

 離れる直前にサバイバルソードの背にあるギザギザに相手の剣を挟み、ぐいっと捻って跳ね上げる。

ガキンッ

 ボロボロに錆びていた剣は呆気なく折れて、剣先を地面に落とした。

『キエェェ』

 魔物は怒り狂い4本の腕を振り回して突進して来る。

「こなクソッ!」

 テオは突進する魔物の懐に飛び込み、サバイバルソードを下の左腕に叩きつけた。

『ギヤアァアア!!』

 切り口から紫色のねっとりとした体液が吹き出し、テオに降りかかる。

「もいっちょおっ!」

 頭から体液をかぶりつつも、テオが身体を捻ってサバイバルを振り上げた時。

ドッ

「い゛?!」

 鈍い音と共に魔物の胸から弓矢が突き出してきた。
 弓矢の先には魔物の『核』が突き刺さっており、ゆっくりと光を失い、同時に魔物がテオに向かって倒れる。

「い゛いぃ?!」

ドオオォン

 魔物は盛大な音をたててテオを押し潰し、土煙をあげた。

「何て事だテオドア!君の尊い犠牲は無駄にしないよ。安らかに眠りたまえ」

 強弓を左手に握ったランスが慌てて駆け寄り、死者に送る祈りを捧げる。

「ざけんなっ!生きてるっつうの!」

 テオは魔物の下からもぞもぞと這い出し、ランスに吠えた。

「おおっ神よ感謝します」

 今度は感謝の祈りを捧げる。

「感謝は良いから助けろぉ!」

 魔物の重みでそれ以上動けなくなったテオは、ジタバタと暴れるのであった。



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