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異種間交際フィロソフィア
【ファンタジー 官能小説】

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凶暴回帰の満月夜-3


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「悲しむ?萎えそうなアホ抜かすな」

 ジークは足元に倒れるハーフエルフを見下ろし、舌打ちした。携帯ストラップの似顔絵を眺め、もう一度舌打ちする。
 夏休みの工作で作ったと、マルセラから渡されたものだった。『英雄の勲章』だと、嬉しそうに授与された。

(マルセラ、お前はガキだから夢を見てるだけだ。お前の思う英雄なんか、どこにもいないんだよ!! 少なくとも、俺じゃねぇ!!)

 さっさと大人になれ。どうせ幻滅するなら、一日でも早くしろ。
 ……何度もそう言って突っ返そうと思いながら、結局つけたままでいる。

 腰から魔獣用の特殊ロープを外し、エメリナの両手首を胸の前で縛った。長い端の部分を、天使像の一体にくくりつける。
 それから艶やかな亜麻色の髪を、数本抜き取った。
 ポケットから折り紙で作られた小さな白い鳥を取り出し、折り目にエメリナの髪をこじ入れる。

 夜空に向けてそれを放り投げると、紙製の鳥は生物のように羽ばたき、街の灯りを目指して飛んで行った。



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