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妖怪艶義〜小豆洗い〜
【OL/お姉さん 官能小説】

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妖怪艶義〜小豆洗い〜-1

――「小豆とぎ」ともいい、川のほとりでショキショキと小豆をとぐような音をさせる妖怪である。たいていは谷川のほとりとか橋の下に出て、時には歌をうたう。

「小豆とごうか、人とって食おうか、ショキショキ」

おもしろがって近づくと、かならず水中に落ちるともいわれ、日本中いろいろなところに出現した。――(水木しげる「【図説】日本妖怪大全」より抜粋)



「ありがとうござっしたー、またおこしくださいぁっせー」

ところどころ日本語が崩壊した挨拶に見送られ、コンビニを出る。
一人暮らしを始めてから、夕食はほとんどコンビニ弁当だ。不健康とは思うが、自宅から徒歩5分は便利すぎる。

店で温めてもらった弁当片手に橋を渡る。ちょうど自宅とコンビニの真ん中あたりに川があって、橋がかかっている。この辺はまだ田舎だから、川の水もそこそこ綺麗だ。小魚も泳いでたりする。

不意に違和感を覚え、橋の上で立ち止まる。なにか耳慣れない音楽が聞こえる。

周囲には民家がまばらにあるだけで、音楽を流すような施設はない。
耳を澄ましてよく聞くと、どうも橋の下から聞こえるようだ。しかも音楽というより、誰かが歌っているように聞こえる。

こんな時間にこんな場所で歌うなんて、どう考えても変質者だ。が、怖い物見たさで興味が湧いてしまった。橋の上から見るだけなら大丈夫だろう。

欄干から身を乗り出して下を見る。橋の下は暗くてよく見えないが、歌声ははっきりと聞き取れた。

「小豆とごうか、人とって食おうか、ショキショキ」

・・・ご丁寧に、砂利のような物を擦りあわせる「ショキショキ」音まで聞こえてくる。
俺の脳裏に、昔観た「妖怪大戦争」で小柄な芸人が演じていた、小豆洗いの姿が浮かぶ。

ヤバい、マジでヤバい変質者だ。俺は慌てて身を起こそうとして――次の瞬間、川の中で尻餅をついていた。


橋の上から落ちた、のだとは思う。

だが欄干の高さは俺の胸くらいはあった。しかも橋の下までそれなりの高さがあるのに、俺はずぶ濡れになっただけで、体のどこにも痛みがなかった。

ショキ、とすぐそばで音がする。俺から2mと離れていない川のほとりで、‘変質者’がこちらを見ていた。


驚いたことに相手は女性だった。(今思えば、歌声も女性のそれだった。)

年は20代後半だろうか。どこか影があって若々しくは見えないが、それが逆に奇妙な色気を醸し出している。ウェーブのかかった長い黒髪も印象的だ。

だが、もっと印象的なのが彼女の衣服だった。
いわゆる襦袢だが、赤みの強い小豆色のそれは、まるで風俗嬢の衣装だ。
おまけに丈も短く帯も緩めているので、むっちりした太ももと大きな胸の谷間が惜しげもなくさらされている。

「・・・いつまで水浴びを続けるつもり?」

呆然と座りこんでいると、向こうから声をかけてきた。

「とりあえず上がったらどうかしら?」

言っている事はもっともだ。岸に上がった。

「・・・それじゃあ、手伝ってくれない?もとはと言えばぼうやのせいなんだから。」

上がった途端わけの分からない事を言われ、思わず女を凝視してしまう。
扇情的な衣装のせいか、少し厚ぼったい唇がセクシーだな、などと場違いな事を考えてしまう。

「小豆。ぼうやが落ちてきたせいで‘ふた粒’ほどこぼれちゃったの。だから、探してくれない?」

マジで小豆洗ってたのか?しかもふた粒って・・・・疑問は尽きないが、まぁ責任はあるらしいし、この色んな意味で‘妖しい’美人とお近づきになりたい下心も働いて、俺は足元を探し始める。

「あら、探してくれるのね。じゃあ・・・」

不意に、女が背後から抱きついてきた。

「なにを驚いてるの?あなたの体に小豆がついてないか、調べるだけよ・・・?」

そう言ってボディチェック――にしてはねちっこい手つきで、俺の体を撫で回してくる。
腹をゆっくり撫で回し、へそを指先でひと撫でして、そのまま下へ・・・

「あら。ここに入ってるのはナニかしら?」

俺の股間に手のひらを乗せて、ズボンの中を探るように動かす。
股間に白くて綺麗な手がかぶさる光景に、俺は興奮を覚えてしまう。

「ふふ。ここに入ってるのは‘おいなりさん’よね・・・♪」

しかし股間をまさぐるのはあっさり止めてしまう。その手はまた、俺の体を上へとのぼっていく。

へそをくるりとひと撫で、それから腹、今度は胸のほうへ。

胸板を、円を描くように撫でてくる。その半径が徐々にせばまり、回転が中心に達した時、そこにある突起を優しくつまみ上げられた。

「ふふふ。見つけたわ、あなたの‘小豆’♪」

両の乳首をくりくりと転がしながら、女が耳元で囁く。

「この‘小豆’、い〜っぱい‘洗って’あげる・・・・」

次の瞬間、女が俺のシャツを引き裂いた。

「おとなしくしててね?じゃないと・・・とって食べちゃうかも。うふふ」


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