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アイツがあたしにくれた夏
【コメディ 恋愛小説】

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揺るがない決意-4

その言葉があたしにどれほど安堵を与えたか、彼女は知らないだろう。


鏡に映るひきつった自分の顔を見ながら、里穂ちゃんと顔を合わせていなくてよかったと心から思った。


と、同時に頭に疑問符がピョコンと浮かび上がる。


「あれ、だってシフトはこないだ締切だったよね? それとも来月分? にしては早すぎない?」


スウィングのシフトは基本15日締めとなり、そこから1ヶ月……例えば7月16日から8月15日が一区切りとなっている。


で、あたし達アルバイトは10日までにシフトを提出し、15日までに店長がシフト表を作成するのがいつものスタイル。


まあ、みんな希望の曜日はほぼ固定されてるから、提出と言っても前もって休みたい日だけを申告するだけだし、毎月ほとんど似たり寄ったりのシフトなんだけど。


ちなみに、今は8月下旬。


次のシフト提出まではまだ日にちがあるのに、里穂ちゃんがわざわざシフトを提出しに来る理由がわからなかった。


いつものペースで会話が進んだことに安堵しつつ、制服に着替えたあたしは丸いドアノブに手をかけて、ドアを開けようとした、その時。


「だって、駿河さんが今回のシフトいっぱいで辞めるらしくて、店長が来月分のシフト調整に時間かかりそうだから、早めにみんなの希望を把握しておきたいって……」


ドアノブを握り締めていた手がピタリと止まる。




駿河がスウィングを辞める――?






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