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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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キモチノモンダイ-8


「あ―っ!!もう!!」

 テオはガシガシと頭を掻いて諦めたように息を吐いた。
 そして、ツカツカとリュディに近寄り彼女を簀巻きから解放してやる。

「テオぉん」

 解放された途端にリュディのしなやかな腕が伸びてきてテオに絡みついた。

「うわ……こんなんなるんだ」

 パルの媚薬はテオには効かないのでどんなものかと思っていたが、これは凄まじい。
 抱きついてきたリュディは積極的に身体を擦り付けてくるし、甘え方が尋常じゃない。

「ねぇ、テオぉ抱いてぇ〜?」

 誘い方も何だか下品。

「……萎える……」

 控えめでちょっと照れた仕草が可愛いのに……お願いする時の上目遣いがお気に入りなのに……テオはよしよしとリュディを宥めつつパルに振り向いた。

「逃げるな。付き合えよ」

「へ?」

 テントから出ていこうとしていたパルは、テオの言葉に立ち止まる。
 こういう事は普通2人でヤるものだと言っていたような……それに、ヤるの意味も。
 パルにとっては食事だが、人間にとっては性欲処理と愛情表現だ。
 特にテオは愛情表現の方に重きをおいていて、パルとヤる時も雰囲気作りははずさない。
 そのテオが好んで複数プレイを望む筈が無いのだが……。

「無理。このリュディじゃ勃たねぇ」

 いくら綺麗でも、いつものリュディの綺麗さが微塵も感じられない壊れたリュディには魅力を感じない。
 ギャップ萌え〜になるかもと期待したが、ギャップが有りすぎて全然ダメ。

「お前の愛液のせいなんだから手伝え」

 むっすうとした顔のテオは何だか可愛い。
 こんな形で女性を抱くのが本当に嫌なのだろう。
 だけどヤらないとリュディが治まらない。
 何だかんだいってもテオはまだ17歳。
 心と身体をキッパリと分けるにはまだまだ未熟なのだ。

「どうすればいい?」

 パルは戻ってきてテオに聞く。

「あぁん、パルぅ〜」

 近寄ってきたパルにリュディが抱きつきすりすり……これは本当にリュディなのか、と疑いたくなる壊れっぷりだ。
 リュディ越しに顔を見合わせたテオとパルは思わず吹き出す。

「くくっとりあえず2人でヤッてくれ」

「はぁい♪」

 パルはテオに言われた通りにする為、抱きついてきたリュディをひょいっと抱えた。
 小さいクセに怪力……そこは魔物父と同じだなあ、と妙な所で感心する。



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