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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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キモチノモンダイ-2


(少し感じが変わられたかな)

 昨夜のテオとリュディの営みは勿論、盗み聞きしていた。
 ランスからリュディの過去の話も聞いた。
 男に乱暴に扱われ、男性恐怖症気味だった……そのリュディが最大のトラウマを克服したのだ。
 感じが変わっても不思議はない。
 ただ、気になるのは選んだ相手がテオだという事。
 リュディが男に抱かれるなんて、かなり勇気のいる事だし相手も吟味に吟味を重ねたのであろうが、よりによってテオだ。
 相当信用している証拠なのでランスに勝ち目は無いか、と危惧したがその心配は無かった。
 盗み聞きした会話の内容によると、2人の間に恋愛感情は無いらしい。

(理解しがたいですね)

 あそこまで優しく抱いておいて……あそこまで全てをさらけ出しておいて……恋愛感情は無い?
 だいたい、何故テオは怒らないのか?
 たまたまそこに信用出来る男が居たから……そんなの都合の良い男として利用されただけではないか。
 ノアはリュディの羽馬の手綱を引いてやりながら、前を歩くテオとパルを眺めた。
 朝、盛大に喧嘩をしていた2人は並んで歩きながらもお互いそっぽを向いている。
 その顔はかなり不機嫌そうだ。

(多少はあるのでしょうね)

 不機嫌な表情に見え隠れする、どこか哀しげな目は失恋と捉えて良いかもしれない。
 多分、抱いている時、抱かれている時はお互い愛しあっていたのだろう。
 ただ、その最中に何かが違うと感じた……といったところか?

(はあ……止めよう……)

 色々考えた所で答えなんか出ない。
 結局は本人達の問題であり、聞いてもノアには理解出来ないだろうから。

(少し羨ましいですね)

 ノアは成長速度が遅く、中身は17歳だが身体は11歳だ。
 同年代の女性には勿論相手にされず、外見が同じ年頃の女の子は幼すぎ……という事で恋愛経験がない。
 博識なのでそれなりには分かるが、こういうのはやはり経験がものを言うのだろう。

(はあ……恋がしたい……)

 主に振り回されてばかりの少年は、個人的な悩みを抱えてこっそり溜め息をつくのだった。



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