投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

アネクメネ・オアシスの最初へ アネクメネ・オアシス 106 アネクメネ・オアシス 108 アネクメネ・オアシスの最後へ

キモチノモンダイ-1


「ずっるぅいっ!!」

 翌朝、目を覚ましたパルはひとつの毛布にくるまって寝ている2人を発見して、開口一番に言い放った。

「ずるいずるいずるい〜〜〜〜っ」

 床に転がって子供の様にジタバタするパルを見て、テオは困った顔で頭を掻く。
 ちなみに、リュディは知らん顔で服を着てさっさと旅の準備を初めている。

「あ〜…いや、悪かった……(のか?)」

 テオは謝りつつも何が悪かったのか自分でも分からず、微妙な謝罪を口にした。

「2人でスルなんて〜ずるい〜アタシだけのけ者なんて〜」

「いや……普通、ああゆう事は2人でスルもんだが……」

「ただ出すなんて勿体無ぁい!ご馳走なのにぃ〜フルコースなのにぃ〜」

「それかいっ!!」

 パルのぐずっている理由がやっと分かり、テオは思わずビシッとつっこむ。

「?他に何があるのよぅ?」

「あ、いや……まあ……」

 他の女を抱くなんて浮気者〜とか、アタシとリュディどっちを取るの?!とか……良く考えたら恋人でもないのにあり得ない話だ。
 パルにとってテオとヤルのは食事以外の何でもないのだから。
 そこまで考えたテオは何となくムカつき、ぐずるパルに荷物を投げた。

「オレが誰とヤろうが勝手だろうが。さっさと準備しろ」

 その言い草にパルもムッとして荷物を投げ返す。

「アタシには他の男食うなって言っといて!自分だけ好き勝手ヤルなんてやっぱりずるいっ!!」

「オレとお前じゃヤルの意味が違うだろっ!!」

「意味が違うなら尚更!テオの尻軽男!」

「なんだと!暴飲暴食淫乱魔物が!!」

 ぎゃあぎゃあと言い合いをする2人を無視してリュディは荷物を整理し、サクサクと旅の準備……彼女の頭の中は既にベランナでいっぱいなのだった。


 2羽の羽馬にはランスとリュディが乗る事になった。
 ランスは王子様なので絶対、体力のあるテオとパルは論外、なので残ったリュディとノアが交代で乗る事になったのだ。

「辛くなったら……言って?」

「大丈夫ですよ。ボクは医療系魔法使いですから」

 いざというときは魔法も使うし、最悪テオにおぶってもらう。

「それでも……ね?」

 無理はしないでくれ、と言うリュディにノアは頭を下げた。



アネクメネ・オアシスの最初へ アネクメネ・オアシス 106 アネクメネ・オアシス 108 アネクメネ・オアシスの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前