君をもう一度抱きしめたい1-5
「……俺って、とことんダメな奴だよな」
「手島さん……」
園田がゆっくり身体を離すと、俺は再び芽衣子の横に膝をついて、フッと小さく笑った。
「芽衣子を必ず助けるなんてデカい口叩いておきながら、結局助けられなくてさ。
最後までいいとこナシだよ、マジでダセェ」
「手島さん、助けられなかったのはあなたのせいじゃ……」
園田が否定しようとするのを、かぶりを振って制した。
「俺、生きてても死んでも芽衣子に迷惑かけまくってばかりだわ。
いや、芽衣子だけじゃなく久留米にもだな。
6年も想い続けてきた最愛の女を、最後の最後でとんでもない形で奪ってしまったんだもんな。
疫病神以外の何者でもねえよ。
あー、俺ってなんで存在しちまってんだろう。
生まれ変わるなんていらないから、このまま消えてなくなれたらいいのに……」
「そんな事言ったらダメですよ!
さっきの“どんな環境でも受け入れる”なんて言ってた、威勢のいい手島さんはどこに行ったんですか!」
「……だって、俺のせいで、芽衣子は死んでしまったんだぞ。
俺と出会わなければ、コイツは自殺なんてバカな真似しなかったはずだし、おそらく久留米と付き合って幸せになってたはずなんだよ」
「手島さん、有野さんはあなたを好きになってよかったって言ってたでしょ!
あなたが自分の存在を否定しちゃったら、あなたを想い続けた有野さんの気持ちはどうなるんですか!」
園田に言われ、また涙がジワリと滲んできて、それをこらえるように唾を飲み込む。