投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

また君に会いたい
【その他 恋愛小説】

また君に会いたいの最初へ また君に会いたい 205 また君に会いたい 207 また君に会いたいの最後へ

君をもう一度抱きしめたい1-2

さっきの場所にどうやって戻ったかは、正直よく覚えていない。


やたら、身体が寒く感じたのだけは覚えている。


覚束ない足取りを、園田がなんとか支えてくれながら、先ほどの断崖にたどり着いて、まず最初に視界に入ったのは、飛び降りてしまう前と変わらない芽衣子の姿だった。


芽衣子の姿を見た瞬間、俺はもつれる足で何とか彼女の元に駆け寄った。


「芽衣子、助かったんだな!」


俺は芽衣子の顔の横に膝をついて、彼女の顔をまじまじ見つめた。


「手島さん……、有野さんはもう……」


なぜか園田は眼鏡を外し、目元をゴシゴシ擦っている。


そんな園田の意味不明な行動なんてシカトしながら、俺は一生懸命芽衣子に話しかけた。


「よかったなあ、お前。
でも海に入って疲れただろ?
もうすぐ久留米も目を覚ますだろうし、サッサと久留米のアパートに帰れよ!

あ、お前海に飛び込んだから潮くせえし、久留米は地面に寝転んで砂まみれだから、帰ったらすぐに風呂入るんだぞ。

お前が“一緒にお風呂入ろ”なんて言えば、アイツは鼻の下伸ばして今日のことなんてチャラにして、全て丸く収まるんだからさ」


そう言って笑いかける俺の肩を、園田はグッと掴んで、


「手島さん、いい加減認めて下さいよ!

有野さんは死んだんですよ」


と叫んだ。


しかし、俺は園田の手を振り払って、


「死んでねえよ!

タチの悪い冗談言うんじゃねえ!」


と、園田を睨みつけ、胸倉を掴みあげた。


笑えない冗談を言う園田をぶん殴ってやろうと、拳を振り上げたそのとき、園田の背後に人影がやって来るのが見え、思わず手を止めた。






また君に会いたいの最初へ また君に会いたい 205 また君に会いたい 207 また君に会いたいの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前