投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

異種間交際フィロソフィア
【ファンタジー 官能小説】

異種間交際フィロソフィアの最初へ 異種間交際フィロソフィア 13 異種間交際フィロソフィア 15 異種間交際フィロソフィアの最後へ

満身創痍の初デート -1

 ――翌日。

(こ、これで大丈夫かな……?)

 駅にむかいながら、エメリナはそわそわと、服の裾を摘む。
 白い繊細なレースのワンピースは、ローザの店で買ったものだ。揃いで買った靴はヒールが高く、普段より視界が五センチは高い。亜麻色の髪も今日は降ろし、上品な淡いピンクのリボンカチューシャをつけていた。
 こんな装いは、親戚の結婚式以来だろう。

****

 昨日、ギルベルトと誤解が解けたあと、明日一緒に出かけないかと聞かれた。
 十一時に、アパートと職場の中間にある、最寄駅で待ち合わせと決め、スッキリした気分で帰路についた。

(十一時か……じゃぁ、ゆっくり寝てられるなぁ)

 ふむふむと、反すうしながら歩く途中、突然気がついて、ピタリと足を止める。仕事のやり取りのノリで、軽く了解してしまったが……

(これって…………デートだよね!?そういうことですよね!!???)

 思わずとってかえり、ギルベルトを揺さぶって問い詰めたい心境になった。

 ――――どうしよう、なんにもわからない!なんにももってない!

 なにしろ異性経験は、あの最悪な過去だけ。デートなんかしたことない。
 彼氏が欲しいと口で言いつつ、本音はどうでも良かったから、情報も何も仕入れなかった。
 エメリナの休日はもっぱら、溜まった家事にネトゲの狩。
 たまのお出かけは女友達と遊ぶか、ゲームセンターに行くくらいだ。

 そのまま全力疾走で、ローザが勤めている店まで駆けていった。

『本当はこういうの、ダメなんだけど……話はいつも聞かせてもらってるからね』

 親切な美人店長さんは、服と靴にバックまで一式を、社員割引きしてくれた。
 前々からローザを通して、エメリナの『先生萌え』を聞いていたそうだ。
 ついでに髪形やメイクまで、店員たちがこぞってアドバイスをくれた。
 あの店の皆様に、頭があがらない。

 店員は神さまだった。

 ****

 慣れない靴で転ばないように、慎重に歩く。

(き、緊張しすぎない!!普段どおりにすればいい!!)

 さすがにレンジャーの仕事へはついていけないが、仕事でギルベルトとちょっと外出するくらいはよくある。
 お昼ご飯だって、いつも一緒だ。
 ならばデートなど、恐れるに足らず!!遊びに行くか仕事に行くかの違いだけ!!
 さぁっ!どこからでもかかってらっしゃい!!

 そう考えるとずいぶん気が楽になり、鼻歌でも歌いたい気分で歩く。
 今日はいい天気だし、少し風があるから暑すぎもしない。まったく最高のデート日和だ。
 ……が、ギルベルトの姿を遠くから見つけた途端、途端に動悸が激しくなり、街路樹のオレンジに掴まる。
 彼はいつもと同じようにラフな格好で、石像の横に立っていた。
 長身の美形青年に、通りかかった女性たちが、こっそりと視線を向けていく。

「ああ、そこにいたのか」

 樹の影から亀のように首を伸ばしていたエメリナに、ギルベルトが気づき、歩いてくる。
 エメリナの服装を見ると、少し驚いたような顔をした。

「へ、変でしょうか?」

「いや。普段の感じも好きだけど、こっちもよく似合ってる」

 ニコリと微笑まれ、鼻血を噴きそうになった。

(ふはぁぁっ!!また先生ってば、百点満点の答えを!!)

 くぅっ!と気づかれないように拳を握り締める。
 とりあえず出だしは上々。土産話を期待しているローザに、良い報告ができそうだ。




異種間交際フィロソフィアの最初へ 異種間交際フィロソフィア 13 異種間交際フィロソフィア 15 異種間交際フィロソフィアの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前