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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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ゆうこ-1

【ゆうこ】

陽子はプレイヤー達が用意していたタオルケットの上にマスターを優しく横たえた。

「もう大丈夫よ」

どこを見るともなく視点の定まらないマスターに優しく語り掛けながら、その頬を優しく撫でる陽子の目から涙が溢れていた。

2人の間近でその仕草を見ていた優子は、陽子のマスターに対する愛情の深さを感じてしまった。

2人の間に入り込む余地も無く、何もできないまま場違いなみじめさを感じていた。

陽子に対する軽い敗北感を覚えた優子は、自分の居場所を探すためにその場を去ろうとして2人に背を向けた。

そんな優子の手を陽子はしっかりと握りしめた。

「優子ちゃん、あなたの出番よ。マスターを慰めてあげて…」

涙を流しながら陽子が言ったことが優子には信じられなかった。今見た光景は誰が見てもそれに適した人物が陽子だとわかる。

幾ら無遠慮な若さを以ってしても、自分がそれに代われるとは優子には到底思えなかった。

「ど、どうして…」

どうして、優しい陽子がみじめな自分にこんな仕打ちをするのか、優子には理解できなかった。

「陽子さんが慰めればいいでしょ!マスターのことをこれだけ想う姿を見せつけられて、あたしが代われるはずないじゃないの!」

優子は陽子に太刀打ちできない自分自身に対する腹立たしさを、若さ故にそのまま陽子にぶつけてしまった。

しかし、そんな優位な筈の陽子の変化を見て優子は戸惑ってしまった。

「ううう、あ、あたしじゃダメなの。幾ら彼を愛しても、あたしじゃダメなの、ううう」

陽子は両手で顔を覆い、嗚咽を堪えて泣き出したのだ。

「ちょ、ちょっと陽子さん…」

突然のことに優子は戸惑った。人生経験の浅い優子はこういう時にどうしたらいいかわからなかった。

まごまごしている優子を助けたのは、結局は陽子だった。

「ご、ごめんなさい…。びっくりさせちゃったかな」

陽子は顔を上げて無理に笑顔を作り明るい声で優子に謝った。

「い、いいえ…」

優子はそう答えるしかなかった。

「だ、大丈夫ですか?」

「ええ、もう大丈夫。マスターがこうなるのを見るのは結構きつくてね」

マスターの頬を指で突きながらワザと明るくしゃべる陽子は見ていて痛々しかった。

「マスターはいつもこんな感じになるの?」

「ええ、大体こんな感じ。意識はどこに有るのか声を掛けても返事もしないし、感情も見せない。2,3日はこのままなの」

「えっ、このまま?じゃあ、どうやって服を着るの?どうやって帰るの?」

優子は少し治り気味ではあるが、いまだに存在を主張するマスターの下半身を見ながら心配した。



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