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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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オモワク-5


「パル嬢はまだ未熟だねえ?もう少し魔物のオーラを抑える訓練をするべきだと思うよ?」

 ランスはニコニコとパルに忠告した。
 漏れ出たオーラに引き寄せられて他の魔物が来ないとは言い切れないからだ。

「う……精進しますぅ」

 あっさりバレていたうえに、人間に注意されるとは……パルは情けなくなって小さく縮こまる。

「それと、リュディさん」

「は、はい」

 リュディはビクッとしてノアを見た。

「本当に失礼だとは思いましたが、少し魔法を使わせて頂きました」

 その言葉にリュディの目が大きく見開かれ、パルは顔を険しくして立ち上がりバサリと翼を広げる。

「落ち着けよ」

 1人落ち着いているテオがパルの尻尾を引っ張った。
 流石のランスも目の前で変貌したパルに驚き、ノアはランスを背に庇うようにして何時でも魔法が発動出来るように指で印を組む。

「落ち着いていられると思うの?!魔法使いだからって何しても良いってワケじゃないでしょ?!」

 パルは尻尾を打ちつけて乱暴にテオの手を振り払い、ノアを睨みつける。
 パルの耳が尖り、黒い瞳が赤く染まる……その表情は怒りに満ちていた。
 チカリと光った赤い瞳を見たランスとノアの身体がビキッと固まる。

(!?金縛り?!)

 ノアは背中に冷や汗を流しつつパルの動きを伺う……いざという時はテオごと……。

「だあら、落ち着けっての」

「んにゃああぁぁ?!」

 緊迫した空気を無視してパルの間抜けな声が響く。
 テオの手がパルの尻尾の根元をキュッと掴んだからだ。

「やっ……テオ?!」

「ほ〜れほれほれ」

 そのまま根元の上の方を指で掻き掻きしてやると、パルの尻尾が直立してぶるぶる震えた。

「ふにゃあ〜」

 猛獣使いテオの愛撫で呆気なく腰砕けたパルは、へなへなとその場に座り込む。
 同時に金縛りが解けてランスとノアは大きく息を吐いた。

「魔法使いだからって何しても良いワケじゃねぇがな、話は最後まで聞け」

「ううぅ〜」

 パルは悔しそうに涙目でテオを睨む。
 どうしてもテオの愛撫には逆らえない……この男……いつか骨抜きにしてやる……とパルは妙な目標を掲げるのだった。

「ノア、続けて」

 パルへの愛撫をしつつテオは顎を動かしてノアを促す。

「あ、はい」

 ノアは居住まいを正して自身を落ち着かせるように息を吸った。



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