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アイツがあたしにくれた夏
【コメディ 恋愛小説】

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崩壊(性描写あり)-14

でも、これでゴールってわけじゃない。


「……動かしていい?」


未だジンジン痛む下腹部を、なんとか落ち着かせようと息を整えているあたしに、翔平は少し申し訳なさそうに言った。


若干眉根をしかめてそう申告するのは、この状態が彼にとって生殺しみたいなものだからだろうか。


「お前の中、ヤベえよ。キツくて締まってるのはもちろんなんだけど……、中でミミズが絡み付いてくるみたいにゾワゾワまとわりついてくんの。このまま黙っていると頭がおかしくなりそうだ」


ミミズとか、ずいぶん失礼な表現だけど、言葉を選べないくらい切羽詰まった状況なんだろうな。


貫通したばかりの痛みは治まる気配がない。


この状態で動かされたりしたら……。


その先の壮絶な痛みを想像すると、途端に身体がまた強張ってしまう。


そのくせ、苦しそうに下唇を噛み締める翔平を見てると、なんとか応えてあげたいとも思う。


痛いのは怖い。好きな人に気持ちよくなってもらいたい。


こんな辛そうな顔を見ながらの葛藤で、あたしはしばし動けないままだった。


恐らく、もう無理と告げれば、優しい翔平は生殺し状態だとしても止めてくれるだろう。


でも、息を密かに荒げる彼を見ると、行為の終了を望む言葉がまた喉の奥に引っ込んでしまう。


翔平、早くイキたいんだ……。


なんだかそんな翔平がやけに可愛くて、胸がキュンと高鳴る。


身体は限界だけど、あたしで乱れる翔平を見てみたくてたまらない。


あたしに狂って。もっともっとあたしに溺れて。



「翔平……」


はあはあと息の荒い翔平に向かって、あたしは口をゆっくり開いた。


「いいよ、あたしの身体で気持ちよくなって」


翔平のツンと尖った喉仏が上下に動き、ゴクリと生唾を飲み込む音があたしの鼓膜をそっと揺らした。


「……ホントにいいのか?」


「うん、ちょっと怖いけど……翔平に気持ちよくなって欲しい。……それに」


「それに?」





「あたしの初めては、翔平にもらって欲しい」





そこまで言うと翔平は少しの間、目を瞑っていたかと思うといきなり激しいキスを注いできた。




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