崩壊(性描写あり)-10
「……いいのか?」
少し息を荒げながら見下ろす彼。彼もまたあたしを求めてくれてるのかな。
あたしは、黙って頷くだけ。
すると駿河はギュッと抱き締めて、しばらくの間、あたしの髪を撫でてくれた。
ゆっくり脚を開いて、駿河を迎え入れる体勢を取ると、駿河はもう片方の手でペニスを掴むと焦点を合わせるかのごとく、あたしの秘裂を小さく行ったり来たりさせていた。
やがて狙いが定まると、駿河は小さくあたしの名前を呼んでからグッと体重をかけて――。
「……く……」
ギリ、と砕けそうな程に奥歯を噛み締める。
駿河が牛歩と言っていいくらい、時間をかけてくれるのはわかってる。
でも……痛い! 半端なく痛い!
興奮で荒くなっていた息が、違った意味で荒くなる。
一ミリ単位でめり込んで行く度に走る激痛に、あたしの目からジワリと涙が溢れてきた。
「小夜……やめとこうか?」
心配そうに見下ろす駿河に、息も絶え絶えなあたしはなんとか口を開く。
「だ、大丈夫……」
「だって、すげえ辛そうだし……」
そう言って滲み出た涙を拭ってくれた親指が優しくて、一気に涙が溢れ出してくる。
次の瞬間、あたしはギュッと駿河の身体にしがみついていた。
ほんのり汗ばんだ身体に口づけすると、塩辛い駿河の味がした。
死ぬほど痛いけど、やっぱり駿河と一つになりたい。
「駿河……お願い、止めないで……」
「小夜……」
「あたし……駿河が……好きなの……」
ポロリと漏らした言葉に、ビクッと駿河が固まった。
それでも溢れ出した想いはもう止まらない。
意地悪だった駿河も、ちょっぴり優しい駿河も、あたしを好きだと言ってくれた駿河も、全部、全部、大好き。
好きだからこの痛みを乗り越えたい。
「だから、お願い……痛がっても止めないで……」
あたしの頬を撫でる手を両手で包みながら、あたしは小さく頷いた。
駿河はと言うと、あたしの涙を伝った跡に優しく口づけてから、
「……わかった」
と、少し照れ臭そうに笑った。