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サディスティック・スパイラル
【SM 官能小説】

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スパイラル-1



理緒を仕向けてから一週間後の土曜日に冴子は、竹中から呼び出しを受けていた。この一週間、理緒が首尾よく竹中に気に入られたかどうかが気になっていたが、肝心の理緒は会社を欠席したままだった。竹中に会って聞けばすむことなのだが、あの蛇の目で見られることが恐ろしくて、どうしても出来ないまま日々が過ぎてしまった。
指定されたホテルのラウンジで予定時間が10分過ぎようとしていた。既にその前から待っている冴子のコーヒーはすっかり冷めて、とても飲む気になれずにぼんやりと俊介に跨った時のこと思い出して身体をジンワリと熱くしていた。

暴発したペニスに歯をあてがったフェラチオで痛みを与えながら勃起させて、冴子は正常位で俊介に挿入させた。細い俊介の腰を両足で交差させ締め付けるように挟み込み、バギナを自ら擦り付けながら腰を上下にふった。
「もっと腰をまわすのよ……、あっ、いい……」
腕をつっぱらせて身体を反らせて腰を使う俊介に冴子の股間がピッタリとつけられたまま擦り上げている。密着させたまま貪欲に悦楽を貪る冴子の絡んだ足は獲物を捕らえたイソギンチャクの触手をおもわせた。抗う獲物に快楽という毒を与え、その淫靡な毒でペニスを律動させて淫欲を得ているのだった。
「もっと! もっと突き上げてっ! いい……、いいわよっ! そう、強く突き上げるのよ……」
コックリングで根元を締めつけられたペニスが更に欲情した柔肉に締め上げられている。女王に急き立てられて必死に腰を振るが、一度射精したペニスは容易に終わりをむかえず俊介のか細い身体から体力を奪い取ってゆく。
「ぐっ……、もうっ、もう、だめです……。動けません……少し休ませて下さい!」
「何を情けない! 中断するなんて許さないわよ。ほら、腰をまわして!」
腕を突っ張ったまま荒い息をついている俊介はその厳しい命令に反応することが出来ずに動きを止めてしまった。
締めつけていた細い腰から足をほどいて、冴子は俊介を蹴っ飛ばして仰向けにして素早く跨ると、お互いの体液にまみれたペニスを逆手に持って差し入れた。
「うううっ! はあああああああぁ……」
新たな体位での挿入感に呻きが漏れ出る。そのペニスの感覚に馴染みをつけるように腰をゆっくり上下したあと、冴子は弾むように腰をしゃくりだした。片手で俊介の髪の毛を鷲掴みにして口に舌を差し入れかき回す。乱れた髪が俊介の顔を覆い、歯がカチカチと当たりお互いの舌が絡み合った。    
俊介は貪られ征服される悦びに血流がペニスに集中し、射精感が迫ってくる。
「あああっ……、冴子様っ! 凄すぎる、だめです、逝きそうです!」
「だめ、だめ、だめ、まだよ、まだ我慢するの!」
情けない牡犬を折檻するように、昂ぶった欲情を叩き付けるように腰をフル回転させると肉を叩く音が鳴り響いた。締め上げられたペニスが射精直前の膨張で角ばりで冴子の湿洞を掻きだすように抉りこんだ。
「くぅあああああああああっ! いいっ、いいわっ、俊介!」
身体に跨ったままビクビクと硬直してスパークした冴子に、俊介もせき止められていた精を迸った。疲れ果てて動けなくなった牡の身体から、最後の体液を絞り出すように冴子はバギナで締上げていた。

「お待たせしたね」
俊介との逢瀬を思い出してぼんやりしている目先にスーツ姿の竹中が、やや顎をひいた顔でこちらを見ている。しっかりと冴子を見据える鋭い目つきに隙をつかれたように思わず背筋をのばした。
近寄ってきたウエイターに、冴子のコーヒーをチラリと見た竹中はコーヒーを2つ注文し、冷めたカップを下げさせた。ウエイターが退いてしまうと沈黙の時がながれた。竹中は身体を冴子に対して半身でかまえタバコをふかし始めた。
間もなく二つのカップが運ばれてくると竹中は土曜の午後のゆるやかな時間に身をまかせてコーヒーの香りを楽しむように啜り始めた。その横顔を見ながら冴子もカップに口をつけるが、いっこうに香りも味も感じなかった。はじめて会社の屋上で会った時とおなじように呼び出しておいて一向に本題にはいるそぶりをみせない。それが竹中のクセなのか、わざと焦らしているのか計りかねて冴子は思案しながら、コーヒーカップをもてあそぶしかなかった。
長い沈黙をやぶって竹中が口をひらいた。
「ここのコーヒーの焙煎はばらつきがあるようだな。豆はいいものを使っているのに肝心のところがあまいな」
冴子はヒリヒリするような気持ちを抱えて我慢していたのに、やっと口を開いた竹中からでた能天気な答えに堪らずに言った。
「理緒はお気に召されましたか」
竹中はコーヒーを置きタバコを吸って煙を口元に漂わせている。再び沈黙を守るつもりだろうか。冴子はもう絶対にこちらからは口火をきらないつもりでかまえた。


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