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サディスティック・スパイラル
【SM 官能小説】

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第一章 ポンプ-6

 睡眠導入剤のハルシオンをアルコール飲料と一緒に摂取すると、女性に限って催淫剤になることは聞いたことがある。薬剤の分量や摂取する人にもよるが性欲の抑制が利かなくなることがあるという。小宮山も仕事上、薬事関係とのつながりがあるのでハルシオンなど簡単に手にすることができる立場だった。
 「冴子さんが素直に僕のポンプの素晴らしさを認めてくれるとは思っていないからね。ちょっと強引な手を使わせてもらったよ」
 「何を言っているのかサッパリ解らないわ」
 「いいんだよ。今からたっぷり解らせてあげるからね」


 5

 「くあああああっ!」
 「見ぃつけたぁ!」
 ブラの上から摘まんだ乳首を小宮山が引きずり上げるようにしている。
 「ひいいいいいっ!」
 何の技巧もない、その行為だけで冴子のバギナはジュルジュルと音をたてているのではないかと思われるほど潤いだしていた。
顔だけ汗を滴らせた小宮山が口角をあげて冴子を見下ろし、相変わらず乳首を摘まんだまま冴子の様子をジッと観察している。
普通の男だったら次のステップにさっさと移行してゆくのだが、小宮山は女性の扱いに疎いのか、その先に行こうとしない。だが、性的感覚が異常に高められた冴子にとって、締めあげ続けられる乳首の一定の感覚に、逆に悦楽をもとめる焦燥感のような苦しみが迫ってくる。
 「くわっ! 離してっ!」
 「ほ〜ら、どうだい。僕の指だけで感じているのかい?」
 涎をたらさんばかりに口元をだらしなく開けている小宮山から逃れるように身体を左右にふるが腕を鉄輪で固定され腰に肥満体の重しをかけられて、蹂躙された乳首を解放することができない。
僅かな動きと共に乳房が揺れるとツンツンとした新たな快感が生み出されて自ら煽ってしまう。窒息させられるような悦楽から逃れようとする動きに淫獄の連鎖にはまってゆく。
 酸欠の魚のようにさかん口を開ける冴子をみて小宮山が悪戯をする子供のような嗤いをしている。
 「そんなに感じているのかい。もしかして、もう濡れちゃっていたりして!」
 女とは縁のなさそうな小宮山が、そこまで見透かしているとは思えないのだが、冴子はすでにショーツにしっとりと濡れて、貼りついているバギナの状態を絶対にさとられたくはなかった。このまま続けられたら溢れ出る愛液で染みが浮き出てきてしまうかもしれない。
こんなブサイクな小宮山に感じている自分が腹立たしかったが、何とか逃げ出せる活路を見いださなければならない。
 「こんなやり方で女が悦ぶと思うの!? 手の拘束を解いて! するなら普通にしてもらいたいわ」
 「ええっ。そうかなぁ……。じゃあぁ、こんなふうにされても感じない?」
 ブラ越しに乳首を摘まんでいる小さな指がクリクリと転がし始める。 
「イヤああああああっ! 動かさないでぇっ!」
 「ああっ! 嘘ついたな。だってこんなに感じているじゃないか。うははっ!」
 摘まんだドングリを愛でながら、飽きることなく観察している子供のように単調な動きを繰り返している。
冴子は万歳の恰好のまま、巨体の小宮山が思わず身体が揺らいでしまう程思いっきりのけ反った。
 「凄い力だね。僕は冴子さんより力がなさそうだから拘束は解けないよ。だって張り倒してでも逃げるつもりだろ?」
 「くうっ!」
 イジイジと際限なく続く乳首の転がされる感覚に息も絶え絶えの冴子は、逃亡の逃げ道を見いだせないまま、淫靡な闇に引きずり込まれて逝く恐怖を感じた。
 「ふふふっ。僕から逃げ出せると思っていたのかい。僕は相当なバカと思われているらしい。君たちが僕のことをポンプ屋とバカにしているのも知っているんだよ。君を僕の配下におけば僕の会社での立場も変わると思うんだ」
 初めて見る冷静な小宮山の態度に冴子は、思わず下から見上げた。意地悪そうに嗤う小宮山は初めて見る人間のように感じた。下唇を何度も口に含むようにして湿りを加え、ヌラヌラとツヤを帯びた唇が光っている。
 「それで私をこんな、うっ! こんな目に!」
 話している間も小宮山のイジクリは止まることなく動いている。
 「それもあるけど、やっぱり冴子さんを僕のペットにしたいんだ。美しい君を僕の部屋で飼育して、僕の作ったポンプのおもちゃで可愛がってあげる」
 「いやあああああああっ!」
 冴子は今までの小宮山のイメージがガラリと変わった。小宮山は前から自分をつけ狙っていた変質者なのだと解った。
 完全に脱出の道を断たれた冴子はいつまでも叫び続けた。そして小宮山という変質者に身体を拘束され、されるがままの生贄になった恐怖におちいっていった。


 


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